京大、プロジェクションマッピング技術を応用した手術ガイドシステムを開発・実用化

京都大学の瀬尾智 医学部附属病院助教、髙田正泰 同助教らの研究グループが、三鷹光器、パナソニックおよびパナソニックi-PROセンシングソリューションズと共同で、プロジェクションマッピングの技術を応用し、臓器が動いたり変形したりしてもリアルタイムに追従し、手術ガイドを行う支援システム「Medical Imaging Projection System: MIPS(ミップス)」を開発したことを発表した。

MIPSにおけるプロジェクションマッピングは、投影遅延時間0.2秒以内、投影のズレを±2㎜以下という精度を実現。

術者は、プロジェクションマッピングによる直観的なリアルタイムガイドと、状況に応じて自在かつ的確に装置を患部に向けることが出来るアームシステムを使用することにより、迷わず正確に、より安全な手術が可能となるという。

術前に取得したCT・MRIなどの体組織情報を基に、病巣の位置確認などのシミュレーションや術中ナビゲーションを行う機器は以前より開発されてきた。

しかしこうした機器では、術中の体組織変形などによる位置ズレに対して課題があり、リアルタイムな手術ガイドは困難だったという。

近年はインドシアニングリーンという蛍光薬剤を使用した蛍光ガイド手術も開発されたが、外科医(術者)が近赤外蛍光画像を外部のモニター画面上でしか確認できず、頻繁に術野から目を離し、モニター確認をする必要があるため、術中ガイド機器として正確性と操作性に課題があったという。今後は日本国内で実績を集め、順次海外展開を計画しているという。

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