IBMら、視覚障がいを助けるAIスーツケース開発のためのコンソーシアム設立

アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、日本IBM、三菱自動車の5社が、「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム」を設立したことを発表した。

同コンソーシアムは、視覚障がい者の実社会におけるアクセシビリティと生活の質向上を目的として設立されたもの。

視覚障がい者の移動やコミュニケーション支援のための統合技術ソリューション「AIスーツケース」の開発や、それの社会実装に向けた実証実験とデモンストレーションを実施予定だという。

AIスーツケースとは、視覚障がい者が日常生活において無理なく携行できることに着目したウェアラブルデバイスと、スーツケース型ナビゲーション・ロボット。視覚から得られる情報を、最新のAIとロボットの技術を組み合わせて補うことで、視覚障がい者が自立して街を移動することを助けるものだ。

近年、視覚障がい者は爆発的な増加傾向にあり、2050年には現在の3倍の人数になるという研究報告もあるという。視覚障がい者の様々な困難の中でも、特に街を自由に移動できないことが社会参加の大きなハードルとなっている。

こうした課題を解決するため、同コンソーシアムは、「AIスーツケース」の開発に着手。設立のきっかけとなったのはIBMフェロー浅川智恵子氏の米国カーネギーメロン大学(以下、CMU)における視覚障がい者のためのスーツケース型誘導ロボットCaBotの研究だという。同コンソーシアムはCMUをはじめとした各大学や関連する視覚障がい者支援団体と協力をして新しいアクセシビリティ技術の開発を進めていくとのことだ。

なお、2020年6月には東京都内の複合商業施設にてAIスーツケースの公開実証実験を実施予定。

連携各社は、同コンソーシアムの活動を通じて、障がいのある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる「共生社会」の実現を目指していくとのことだ。

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