人は旅からどんなヒントを得るのか。ジョブズやゲーテ、偉人たちが残した名言

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約25%・・・。これは日本人のパスポート保有率。ざっくり言えば、4人に1人の割合でしか海外に出て行っていないということになります。

同じ島国のイギリス(約80%)、「海外旅行に出かけない」と言われてきたアメリカ(約40%)と比べても相当に低い数字で、先進国の中でも最低ランクのパスポート保有率と言われています。

日本のパスポートは世界一“使える”(殆どの国へ自由に出入り可能)とされているにもかかわらず、世界を旅しないというのは実に勿体ないことだと思います。

歴史に名を残すような文豪や天才、発明家、起業家・・・。過去から現在に至るまで、実に多くの偉人たちが旅をし、旅から多くのことを学び、そのことを言葉として残しています。

きっと彼らは、旅の中でさまざまな「出会い」や「発見」を得て、自分の道を歩むことができたのではないでしょうか。

今回は、そんな彼らが旅をして残した名言から「旅することの楽しさ」を探りたいと思います。

旅を躊躇する理由はない。ジョブズやゲーテが残した旅の名言

●「The journey is reward」

この言葉はスティーブ・ジョブズが残したものとして知られています。2016年に引退したF1ドライバー、バトンのヘルメットにも同じ言葉がプリントされていました。

正しくは「The Journey is reward. Not the destination」つまり「行き先なんてどうでもいいじゃないか、旅に行けよ!」ってことです。

その他にも似たような言葉を残している先人もいます。

●「旅をすることが目的なのだ」(ゲーテ)

●「真の旅人は計画など持たず、どこかに辿り着こうなどとは考えない」(老子)

など、多くの先人達が語っています。

日本にもLCCが就航するようになったいま、「思い立ったら手ぶらで週末海外!」くらいの思い切りの良さで、飛び立って行くのがいいのかも知れません。

それでもまだ躊躇してしまうというあなたには、こんな名言もいいのではないでしょうか。

●「今から20年後、やった事よりもやらなかったことを後悔するだろう。安全な港から船を出し、貿易風をセイルに受けて探検をしろ。夢をみろ。発見しろ」(マークトゥエイン)

この言葉は、「トムソーヤの冒険」の作者が残したものです。彼は自分のこの言葉どおりに多くの旅をし、「ハワイ通信」や「ヨーロッパ放浪記」「地中海遊覧機」ほか、旅からヒントを得たと思われる多くの作品を残しています。

しかしながら、旅に出れば何かが見つかるのか?というと、そんなに単純ではありません。


価値観や生き方の全く異なる人との出会いは、旅の途中に最も興奮する場面だったりします。(タイとミャンマー国境付近の山奥で少数民族が暮らす村)

「旅行」ではなく「旅」をする。未知との出会いが世界を広げる

大切なのは旅のスタイル。「旅行」ではなく「旅」をするという心がけだと思うのです。

ではその両者の違いはなにか?「旅行」とは「観光旅行」に代表されるように、その目的が観光だったり遊びだったり慰安だったり。

つまりツーリストとしての移動。一方旅はといえば、今いる場所を離れるための移動。つまり行った先に何があるのか、何ができるのか、何を見ることができるのかは未定の、“行き当たりバッ旅”的な移動。どちらがワクワクするかは明白です。

このことを一言で言い表している名言もあります。

●「本能にしたがって歩くのがいいのだ。 ぼくは磁石を信用したことなどないし 磁石は人間の自然な感覚を惑わせるもの」(スナフキン)

これは、有名な童話「ムーミン」に出てくる、ムーミン村の自由な旅人スナフキンの言葉。作中で、彼は自由に旅をすることを愛しており、荷物はいつもリュックサック一つ。そんな彼が残す言葉だけに、重みがあるじゃないですか。 

予定レスがプライスレス。つまりは旅先で何をするとか、何があるかなんていうのは価値がなく、そんなことは二の次でいいということ。

●「何も新しいことに挑戦しなければ、挫折を経験をするわけがない」(アインシュタイン)

●「年に一度、今までに行ったことのない場所に旅に出なさい」(ダライ・ラマ)

●「発見の旅とは新しい景色を探すことではない。新しい目で見ること」(マルセル・プルースト)

など、さまざまな科学者や、作家の言葉に刺激され、背中を押され、言葉を胸に旅をする・・・。そんな旅人が日本に増えることで、日本が楽しい方向へと進んで行くのはではないでしょうか。いや、決して大袈裟ではなく。

実際にそんな言葉に背中を押され、旅をたくさんしてきました。旅をすることで、新たな出会いや発見を繰り返し自分の世界を広げ、好奇心を掻き立たせてくれます。


ニューエイジたちが注目し人気となったパワースポット、セドナ。大地から噴出するボルテックスと呼ばれる渦を巻いたエネルギーを感じることができる。


アンダマン海には無数の美しい無人島が浮かび、ボートで訪れることができる。そこでどう過ごすかが旅人は試される。


世界最大の砂の島フレーザー島。海流により砂が堆積し、島に。


マダガスカルにて撮影。旅の過程こそがワクワクする。大抵の場合、目的地に着いた瞬間にワクワクも終わってしまう。


ベトナムニャチャンの街から車とボートを乗り継いで行く、ニンバンベィのハイダウェイリゾート。

これらの写真のように日本では出会うことのできないような景色や文化、出来事で満ち溢れているのです。

結局のところ自分を取り巻く環境を替えたり、先に進むために「人類は行動を起こすものだ。たとえ何も見つからなくても、成功はそこにある」(アインシュタイン)ということなのだと思うのです。

実際に行動なくして、新たな出会いにはたどり着けません。今回、紹介した先人たちの「旅の名言」を元に皆さんも心が赴くままに「旅」を見つめ直し、楽しんでみてはどうでしょうか。

そういえば、旅にはアンチエージングの効能もあるみたいで。「旅は私の精神の若返りの泉」とアンデルセンが語っていますよ。

さぁ、今週末。あなたはどこへ行きますか?

取材・文:山下マヌー

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