NTTデータが、ビールを製造する醸造工程において、AIを活用して最適な濾過計画を立案するシステムを標準化。2020年1月からキリンビール横浜工場、滋賀工場にて試運用を開始し、4月から本格稼働する予定であることを発表した。
同システムのベースは、NTTデータがキリンビールとNTTデータセキスイシステムズと共同で開発し、2019年にキリンビール福岡工場で運用を開始したもの。
今回、横浜工場および滋賀工場で導入する「濾過計画システム」は、キリンビールとNTTデータが協同で各工場熟練者へヒアリングを行うことでさまざまな制約を抽出。制約プログラミング技術を活用することで、熟練者の知見を顕在化させ、標準化したものだという。
福岡工場では、2019年のシステム導入により、熟練者が1回につき最大6.5時間程度かけていた「濾過計画業務」を、最短55分に短縮。同工場では、濾過計画システムの運用精度を高めることでさらなる効果の創出を目指していくという。
また、福岡工場と今回同システムを導入する横浜工場・滋賀工場を合わせると、導入前に比べ、年間約2,500時間の創出を見込んでいるとのことだ。
なお同システムは、今後2020年中にキリンビール全9工場へ展開予定。NTTデータは、同プロジェクトにおけるノウハウを他の生産部門にも活用し、ICTのサービス提供にとどまらず、パートナーとしてキリングループの事業成長や拡大にさらなる貢献を目指していくとのことだ。