宇宙ごみを除去する衛星を開発するアストロスケールホールディングスは、傘下で研究開発を担うアストロスケールが東京都から最大5億円の補助金を受けると発表した。

東京都が実施する「未来を拓くイノベーション TOKYO プロジェクト」令和元年度の採択企業として選出された。

同プロジェクトは、東京都が2019年度より実施する、都内ベンチャー・中小企業の革新的なサービスや製品を対象に、開発・改良・実証・販路開拓等に要する経費の一部について、最大5億円を上限として補助するもの。

事業総額として約10億円の申請を行ったアストロスケールは、東京都より約三年間拠出される補助金を活用し、グローバルでの販路拡大、共同研究開発の推進のほか、顧客や顧客衛星の安全性審査・リスク調査や財務・人材強化に取り組む方針だ。

また近年、民間企業が地球観測や通信サービスの展開を視野に、数十機から数万機単位で小型衛星を打ち上げており、これまで以上にデブリの低減・除去策の必要性が問われているという。

アストロスケールは、デブリをこれ以上増やさない努力として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えたり恒久故障の際に除去を行う、軌道上サービスの実現を目指し、2020年にデブリ除去のための実証実験衛星「ELSA-d(エルサディー)」を打ち上げるとのことだ。

同社は、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指し、デブリ除去に関わる技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、規範やベストプラクティスの策定に努めていくとしている。