日本テレビ放送網(以下、日本テレビ)と、NTTドコモは、AIを活用したニュース記事の自動要約システムの実用化をめざす実証実験を行い、WEB用ニュース記事の要約作業を自動化するシステムのプロトタイプを開発したことを発表した。
両者は2018年9月から、日本テレビが大量に保有する20万件近い過去記事データと人が要約したデータセットを同システムに学習させている。
要約の精度向上に取り組むとともに、2019年5月から開始した同実証実験では、同システムの機能拡充やインターフェースの実装を行い、現場で使用するためのWEBアプリケーション型のプロトタイプを開発した。
今回の機能拡充においては、日本テレビの原稿制作ノウハウをルールベースで実装する。タイトルに含まれる単語やユーザーが指定した任意の単語の重要度を向上させ要約結果に反映する機能や、要約後の単語が要約前文章のどの部分で出現しているかをトレースできる機能など、現場の声を反映したアイデアを追加実装しているという。
同システムの基盤となる技術には、NTTドコモ北京研究所の自動要約技術を用いている。同要約技術は、北京研がAI技術を用いて独自に開発したニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Networks)(※)により実現されている。
既存技術と比較して重要情報の網羅性を高めただけでなく、必要な接続詞などを選択・生成することにより読みやすい文章を生成することが可能になった。
(※)ニューラルネットワーク:人間の脳の仕組みを模したAIの計算モデル手法