住友商事とJ:COMのグループ会社であるジェイコム東京が、東京都港区への次世代移動通信システム(以下、5G)通信網の早期構築とその活用を目的とした連携協定の締結に合意したことを発表した。

2020年度からの通信事業者向け5G基地局シェアリングサービスの導入を目指し検討を開始するとともに、港区内におけるローカル5G等の新たな技術の活用に向けた実証実験を行うという。

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5Gは、超高速・超低遅延・同時多数接続を実現する次世代通信技術であり、携帯電話などの通信に加え、教育や医療、防災など幅広い分野での活用が期待されている。

その一方で、1つの基地局でカバー可能なエリアが4Gと比較して狭いため、5Gの普及には基地局の迅速な整備と、その設置場所となる用地等の確保が必須だという。

東京都は、2019年8月に「TOKYO Data Highway 基本戦略」を発表。都の保有施設への5G関連設備の設置を認めるなど、東京都内における戦略的な5Gの基盤構築の促進に乗り出している。

同協定の締結により、港区が保有する公共施設などに、5G基地局シェアリングサービスを可能とする共用アンテナシステムや同システムを備えたインテリジェントポール(※)などを設置し、5G通信網の早期整備に貢献するという。

さらに、特定のエリア限定で利用可能なローカル5G等の設備を、港区庁舎や公共施設などに導入することで、区内における5G等の新たな技術の利活用方法や、その実用性の検証を可能にする環境を整えていくとのことだ。

なお、同協定の各参加者において、港区は区有施設を活用した5Gの普及促進を、ジェイコム東京は光ファイバー回線および無線機設備などの設備設置場所の提供を、住友商事は共用アンテナシステムやローカル5Gの通信に必要な制御システムの提供を行う予定だという。

同協定は、国内初の官民による広域での5G実装モデルとなる見込みとなっており、港区民や来街者の利便性向上に貢献していくことを目指していくという。

(※)通信事業者の無線機、カメラ、センサーなどの多機能設備を搭載可能なスマート街路灯