アクセンチュアの戦略コンサルタントが語る”多様な人材を求める理由”

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変化のスピードが速く、過去を参考にするだけでは答えに辿り着けない今の時代。企業が多岐にわたる課題を解決していくためには、多様なバックグラウンドを持つ人材が必要不可欠だ。一方で、ビジネスパーソンにとっては、業界や国境を横断して自分の専門領域を深める機会が広がっているといえる。

こうした中、先進的なインクルージョンとダイバーシティに取り組んでいるのが、世界最大級のコンサルティング/ITサービス企業「アクセンチュア」だ。世界52ヵ国200都市以上に拠点があり、全世界の従業員は50万人以上。日本では近年組織が急成長し、現在約1万3000人が勤務している。

アクセンチュアの強みは、「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」「セキュリティ」という6つの領域のエキスパートを社内に抱え、多様な視点からお客様の変革を支援できる点にあること。現在、6期連続で2桁成長という好調な業績をさらに加速するべく、人材の採用・教育にも力を入れているという。
アクセンチュアでは多様な人材がどのように活躍しているのだろうか。「アクセンチュア ストラテジー」※で活躍するマネジング・ディレクターの植野蘭子氏、海津恵氏に話を伺った。

※「アクセンチュア ストラテジー」とは
“We Shape”をミッションとし、お客様の未来を形作る戦略パートナーとして、各業界をリードするお客様の経営上の重要課題や戦略的取り組みを支援する部門。そのテーマは、お客様の中期経営計画、人事・組織戦略、マーケティング戦略、デジタルを活用した新規事業立案、M&A、サプライチェーンマネジメント戦略など、多岐にわたる。

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「短期間で急成長できる環境」を求めてアクセンチュアに入社

お客様の経営層と共に事業計画や戦略立案に携わり、「アクセンチュアの頭脳」とも呼ばれるアクセンチュア ストラテジー。その最前線で活躍する植野氏と海津氏は、どのような理由からアクセンチュアで働くことを選んだのだろうか。


アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 植野蘭子氏

植野氏:「私は新卒で自動車メーカーに入社し、人事を担当していました。その後、夫のアメリカ赴任に伴って退職。現地で1年ほど専業主婦をしていました。日本に帰国したとき、今後も家庭の事情でキャリアを変えざるを得ない局面があるかもしれないと考え、どこに行っても通用するスキルを短期間で身につけたいと思ったことが、戦略コンサルタント職を志望した理由です。

いくつかのコンサルティングファームからオファーをいただいた中でアクセンチュアに決めたのは、面接官からの質問が鋭く、そのやり取りが刺激的だったから。『成長したい』という意欲が強かった私にとって、質問されるたびにどう答えればいいか頭をフル回転させた体験はとても強烈でした。いくつか採用面接を受けた中で、手に汗握るほど余裕がなくなっていたのはアクセンチュアだけだったんです。そして、『こういう人たちと一緒に働きたい』『自分が一番成長できる環境はここしかない』と入社を決意しました。

最初は一番下のクラスであるアナリストとして入社し、これまでは主にお客様のグローバル人事戦略、M&Aに伴う組織再編、デジタルトランスフォーメーションなどのプロジェクトを担当してきました」


アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 海津恵氏

海津氏:「私は新卒入社です。就職氷河期の最後の世代で、山のように採用試験を受けました。企業を選ぶ中で重視したのは、私も植野と同じく『短い期間に早い成長ができること』でした。当時、戦略コンサルタント職は激務と言われており、周りから『やっていけるのか』と心配されたこともありましたが、面接が進むほどになぜかアクセンチュアに惹かれていく自分がいて。入社して3日くらいで、『ここには私が求めていた成長できる環境がある』『直感は間違っていなかった』と確信しました。会社の雰囲気が自分の肌感覚に合っていたんですよね。

入社後はアクセンチュア ストラテジーで主に人材組織系領域を中心に、民間企業や省庁、自治体などのプロジェクトに関わってきました」

前例のない時代に求められるのは、コンサル×デジタル×クリエイティブ

戦略コンサルタントの仕事は、お客様や担当するプロジェクトの内容によってまったく異なる。しかし、アクセンチュア全体として、以前のコンサルティングとは流儀が変わってきているという。

植野氏:「昔は、お客様からお題をいただいたあと2カ月くらいで一気にプランニングして一区切り、という仕事が多かったですが、最近はお客様と長くお付き合いするケースが増えています。最初に将来像を描いて、どう具体施策に落とし込むかを一緒に検討し、実際に事業成果を出しながら変革を実行していく。長期間にわたってお客様の変革に伴走していくコンサルティングが中心になっています。

例えば、私は2年ほど前に、シンガポールでお客様のジョイントベンチャーを立ち上げるプロジェクトに参加しました。組織を立ち上げ、どのように人材を動かすか、どんな制度を取り入れるかなどを検討し、一から会社組織を作っていく仕事でした。最初に組織や制度のコアモデルを作り、それを各地域・各国の事情に併せてローカライズしながら導入していく、実行までコミットする形での伴走は1年以上にわたりました。

かつては、企業がどう変革していくべきかを決めるときに、『アメリカのA社はこうしている、ヨーロッパのB社はこうしている』と世の中にすでにある事例を挙げ、そこからありたい姿を作るのが主流でした。しかし、変化のスピードが早くなった現在、すでにあるものを参考にする戦い方はできなくなってきています。必要となるのは、正しい答えを見つけるコンサルティングより、お客様と一緒に答えを創っていくコンサルティング。今はまだないものを創り上げるという姿勢や、そのための情報収集のアンテナや時流を読み解く力が求められていると思います」

また、デジタル領域やクリエイティブ領域と連動したコンサルティングが多くなっているのも、最近の傾向だという。アクセンチュアでは、ストラテジーの戦略コンサルタントが全体戦略をプランニングする際、例えばアクセンチュア デジタルのデータサイエンティストやUI/UXデザイナーなどが部署を横断してチームを作り、プロジェクトの実行支援までを担うことがある。上記ジョイントベンチャーの事例でいうと、例えば新しい組織を立ち上げる際のロゴのデザインはアクセンチュア デジタルのデザイナーが担当し、ブランド戦略も一緒に検討しながら進めたという。

海津氏:「今はデジタル領域に踏み込まずに進められるプロジェクトはほぼありません。その時々のテーマによって最適な専門家がチームに参画し、提案の段階から一緒に取り組みます。デジタルやクリエイティブと戦略コンサルティングのかけ算は、アクセンチュアだからできることです。

私が今取り組んでいる人の表情解析を行うプロジェクトでも、アクセンチュア デジタルのデータサイエンティストと一緒に取り組んでいます。表情解析を行い、得られたデータをどう活用できるかディスカッションを重ねて、その結果を人材系や教育系のお客様の事業プランニングに活用するプロジェクトです。そこでハイパフォーマンスを発揮する人がどのような表情なのかを検証したところ、人を惹きつけるのが上手な人にはある条件が当てはまることが明らかになりました。弊社の採用担当と話をしてみると、採用担当が魅力的だと感じた方と、表情解析で出た魅力ある人の条件が一致したんです。すごく面白いなと感じました。

「何をリモートでするか」ではなく、「何を対面でするか」

アクセンチュアといえば、働き方改革の最先端を行く企業でもある。2015年に始まったアクセンチュア独自の働き方改革「Project PRIDE」の効果もあり、現在は限られた時間で生産性を高める意識が社内で浸透しているという。また、この取り組みはさまざまな人材がコラボレーションすることで価値を出す働き方を推進しつつ、在宅勤務などのフレキシブルな働き方、多様なキャリア形成を可能にする環境の整備を進めている。

植野氏:「プロジェクトの状況にもよりますが、基本的に個人のリズムに合わせて働き方を選べるので、私自身は非常に働きやすいと感じています。例えば今日は、午前中は自宅でオンライン会議に参加して、午後はお客様先に向かい、夕方にアクセンチュアのオフィスへ来ました」

海津氏:「前のプロジェクトで広告代理店出身の社員がいたのですが、『アクセンチュアってホワイト企業ですね』と驚いていました。私たちの場合、世の中と発想が逆なんですよね。一般的には、みんなが同じ場所で働くことが基本で、何をリモートでできるかを考えると思いますが、アクセンチュアの場合は、リモートの働き方が基本で、何を対面でするかを考えます。

でも、残業が減る=ラクをするというわけではありません。無駄な労働時間は減りましたが、お客様への価値提供を追求することの一生懸命さ自体は同じ。時間が短くなっても、かける熱量は減っていない。弊社の働き方改革の目的は単に残業を減らすことではなく、アクセンチュアで働く人がプロフェッショナルとして自信と誇りを持つことです。「お客様に必ず価値を提供するんだ」というプライドは、常に持っていたいですね。」

これからの時代に活躍する「コンサルタントの素質」

このように、多様な人材が熱量を持って活躍する場があるアクセンチュア。アクセンチュア ストラテジーには、他社コンサルティングファームだけではなく、メーカーや商社、ベンチャー、金融機関や広告代理店など、さまざまな業界から転職してくる人が多い。

では、アクセンチュアの戦略コンサルタントとして活躍できる人というのは、どのような人材なのだろうか。植野氏、海津氏は「型にはめたくはない」と前置きしたうえで、次のような要素を挙げた。

植野氏:「組織としてはいろいろな個性の人に入ってきてほしいですね。一方で、共通で求められるものがあるとすると、ロジカルシンキングができるという素養は依然として必要ですし、デジタルテクノロジーへの感度の高さも求められると思います。また、アクセンチュアではチームを組んでプロジェクトを進めていくため、チームワークができること、チームとして成果を出していけることも大切です。アウトプットに自信がある人、技術を持っている人は、時として自分自身のこだわりが強すぎたり、プロダクトアウトな思考になってしまうこともあります。そんな中、目の前にいるお客様の課題に寄り添い、チームで最大の成果が出せるよう仲間と協働できる人は、大きな価値を生み出せると思います。

また、私自身は事業会社からの転職でしたが、その場合は特に、前職での当たり前に囚われず、素直に吸収する力が大事だなと感じています。私自身も、入社してすぐのプロジェクトの中では、見聞きすることや、やらせてもらうことが初めてのことばかりで、毎日目から鱗が落ちることの連続で、本当にエキサイティングで楽しかったのを覚えています。これまでの経験に縛られずに、新しいことを学ぶことを楽しめる人にとっては、アクセンチュアは魅力ある職場になるはずです」

海津氏:「戦略コンサルタントとして欠かせないスキルは、お客様の課題を解決するために120%を追求できることですね。個人的には戦略コンサルタントに向いている人って、『耳がいい人』だと思うんです。お客様が願っていることは言葉や形になっていないことが多くあります。『あ』を『あ』と捉えるのではなく、『あ』と言ってるけれど『あいうえお』という意味だなと、言葉の裏にある想いをくむ力が重要。それさえあれば、異業種からの転職でも活躍できるはず。また、チームで働くことがベースなので、1人がオールマイティである必要はありません。一芸でも誇れることがあれば良いプレイヤーになれると思います。

企業は不確実な世界で戦わなければいけない時代。コンサルタントとしての型、戦略の型と言えるものはなく、このスキルがあるから戦えるというわけでもありません。『今ならばどの組み合わせで戦えるか』を考えていくことが、戦略コンサルタントに求められていくと思います」

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戦略コンサルタントの仕事を体験できるワークショップを開催

アクセンチュア ストラテジーでは、戦略コンサルタントの仕事に興味を持つ社会人経験者を対象にしたワークショップを開催している。11月に行われたワークショップには、メーカーや広告代理店、金融機関の方々など約25名が参加。今回のインタビュイーである植野氏、海津氏を含めた現役の戦略コンサルタントも参加した。

まずは植野氏から、アクセンチュアの会社概要や戦略コンサルタントの仕事内容の紹介が行われた。その後、参加者は4〜5人でグループとなり、ワークショップが開始。「全社的なデジタル変革の実現に必要な人材と組織、風土とは?」というテーマが与えられ、「なぜ日本企業にとってデジタル変革が課題なのか」「なぜ大企業でデジタル変革が進まないのか」「どのような人事、組織、風土を備えればデジタル変革が加速するか」「それらを実現するための課題とは」の4項目について、グループでディスカッションが行われた。

各テーブルでアクセンチュアの戦略コンサルタントがアドバイスしながら、チームで考えをまとめて発表するという流れだ。チームごとにディスカッションのスタイルや導き出された答えはさまざま。最後は、各発表に対して戦略コンサルタントからのアドバイスがあった。

このワークショップでは、戦略コンサルタントがどのように課題を検討し、アウトプットしていくのかを体験することができる。もちろん、参加にあたってコンサルティング経験は問わない。アクセンチュアの現役戦略コンサルタントの思考の仕方を知ることができる貴重な機会だ。

アクセンチュアでは幅広い人材を積極採用している。戦略コンサルタント職やワークショップに興味がある方は、下記より詳細を確認してみてはいかがだろうか。

取材・文:村上 佳代
写真:横塚 大志

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