忘年会、新年会などの飲み会が増え、多くのビジネスパーソンは財布を出し入れするシーンが多くなってきているのではないだろうか。近年、キャッシュレス決済サービスの浸透により会計自体は簡単で便利になってきた。
しかし、幹事がまとめて支払った代金を、きっちり割り勘できずに困る。お釣りがなくて店に両替してもらったり、幹事が多めに払ったり、今度渡すと言われてもらい損ねたり、そんな悩みを持っている方も多いだろう。
そんな曖昧な割り勘に対する悩みも、○○ペイの割り勘機能を使うことで、スマートに支払えるようになる。今回は、そんな新年会で活用できる紹介する様々な決済サービスの機能を紹介する。
飲み会のシーンで活用したい「PayPay」の送金機能
ここ1~2年のキャッシュレス決済の普及で、今では35.7%の人がコード決済サービスを利用しているという(MMD研究所調べ2019年10月)。利用者自身の利便性の向上だけではなく、周りの多くの人が○○ペイを利用していることで、便利になるのが個人間のお金のやり取りだ。先日も忘年会の時に幹事が釣り銭がなく困っていたので、筆者が友だちの分もまとめて支払い、その分のお金を友だちから「PayPay」で送金してもらった。
現金ではお釣りや割り勘に端数が出たりするが、○○ペイの送金や割り勘機能を使えば数字の入力で済むので、1円単位まできっちり割れる。公平かつ、お釣りに困ることもない。
多くの人が利用しているという意味で、利用するのは「PayPay」や「LINE Pay」がおすすめ。これらのサービスの支払い方法は「送金」と「割り勘」があるが、人数が少ない場合は「送金」の方が便利。一方、4人以上のグループになると、「割り勘」の方が支払い状況を管理しやすい。ここでは幹事がまとめて飲み代を支払い、参加メンバーが幹事にお金を支払うシーンを想定して説明しよう。
「PayPay」の場合、参加メンバーは「PayPay」アプリのホーム画面中央にある「送る」から操作。幹事がそばにいる場合は、幹事のQRコードを読み取って支払い金額を入力。「○○円を送る」をタップすれば、幹事に「受け取り依頼」を送信することができる。
一方、幹事は、ホーム画面中央にある「受け取る」を操作。自分のQRコードを参加メンバーに読み取ってもらう。参加メンバーが操作を終えると、ホーム画面に「受け取り待ちリスト」が表示されるので、内容を確認して「受け取る」をタップする。仮にこの「受け取る」の操作をしない場合、期限切れになってお金は支払われない。
幹事がそばにおらず、QRコードの読み取りができない場合は、幹事の PayPay IDや携帯電話番号で検索。この場合、携帯番号などが間違っていて、別の人がお金を受け取ってしまわないよう、パスワードを設定しておくと安心だ。設定したパスワードは幹事に伝えておくようにしよう。
幹事にお金を送る場合、200文字までのメッセージを入力することができる。何に対しての支払いかを書いて送ると、幹事もわかりやすいだろう。なお、送金できるのは銀行口座や「ヤフーカード」などからチャージした「PayPay残高(PayPayマネー、PayPayマネーライト)」のみ。キャンペーンなどで付与された「PayPayボーナス」や「PayPayボーナスライト」は個人間の支払いには利用できないので注意したい。
「LINE」のメッセージのように送金できる「LINE Pay」
「LINE Pay」で送金する場合は、送金したい相手とのトーク画面から操作できる。メッセージ入力横の「+」ボタンをタップし、「送金」を選択。「送金・送付」を選ぶと、金額を入力できる画面になる。
「LINE」のトーク画面から送金の操作ができる。
「LINE Pay」のウォレットの「送金」から操作することもでき、「送金・送付」から送金したい友だちを選べば、同様に金額を入力できる画面になる。「LINE」のキャラクター画像入りで、楽しく送金できるのは「LINE」ならでは。
ただし、送金する相手は「LINE」の友だちになっている必要がある。仲のいい友だちならいいが、今後、あまり接点がない人とも、友だちにならなければいけないのはやや面倒かもしれない。
「LINE Pay」のウォレットからも送金できる。
送金には銀行口座などからチャージした「LINE Pay残高」が優先して利用される。その金額が不足した分のみ、キャンペーンなどで得た「LINE Payボーナス」が利用できる。
4人以上のグループなら割り勘機能が便利
割り勘も送金と基本的には同じなのだが、割り勘を作成することで参加メンバーに金額を通知したり、割り勘の支払い状況を確認できるところが便利。参加メンバーの内、誰が支払って誰が支払っていないかや、支払い金額のうちいくら払ってもらったかも明確なので、お金のもらい忘れが防げる。
「PayPay」の割り勘画面。割り勘メンバーの支払い状況がわかる。
送金の場合も幹事が「送金依頼」をすることで、参加メンバーに通知を送ることができる。通知が送れると、その場にいない相手にも送金をお願いしやすいのがメリット。例えばグループで友だちの結婚祝いや出産祝い、お見舞いなどをする場合にも、送金や割り勘機能が便利に使える。
これまではこういった立て替えしてもらったお金を支払う場合、相手の銀行口座を聞いて、振込手数料を負担して振り込む必要があった。だがこれからは○○ペイを利用すれば、手数料の負担なく、手間なく送金できる。
そのほか、ドコモの「d払い」やauの「au PAY」、「楽天ペイ(楽天キャッシュ)」、無料送金アプリの「pring(プリン)」でも送金が可能。よく飲みに行く友だち同士で、同じ○○ペイを使っておくと、精算がラクだ。ただし、銀行口座やセブン銀行ATMで出金するには200円程度の手数料が必要になるものがほとんど。中には出金に対応していない決済サービスもある。
1人に「PayPay」や「LINE Pay」などのお金が集中してしまうと使い切るのが大変なので、同じ人が幹事にならないよう、おすすめは幹事を順番で回していくこと。「PayPay」や「LINE Pay」などで支払える店なら、先にお金を集金し、幹事がまとめて支払うようにすれば、誰にも負担がかからずすっきり精算できる。
このようにキャッシュレス決済サービスの送金機能によって「まとめて支払っておくから、みんな○○ペイで支払って」が当たり前になる日が、もうすぐそこまで近づいている。
取材・文:綿谷禎子