乗るだけで貯まるJR東日本の乗車ポイント。一カ月でいくら貯まるのか

2019年10月1日からJR東日本の鉄道をSuicaで利用すると、「JRE POINT」が貯まるようになった。定期券区間は対象外とはいえ、日々、都内を動き回るビジネスパーソンなら、毎日、着々とポイントが貯まるはず。そこでどれくらいのポイントが貯まるものなのか、1か月間、実際に試してみた。

乗車促進やオフピーク通勤に活用される乗車ポイント

電車に乗るほどにポイントが貯まる乗車ポイント。これまで多数の鉄道会社で採用され、電車の利用促進に活用されてきた。最近ではオフピーク通勤でポイントを付与する鉄道会社も多い。

例えば東京メトロの「メトポ」の場合、2020年3月31日までの期間中、ラッシュ時間帯をずらした東西線の乗車に対して、1日10~25ポイントを進呈。1ヵ月間に5回以上乗車することで、ボーナスポイントももらえる。JR西日本の「ICOCAポイント」では時間帯指定ポイントとして、毎月、適用区間の4回目移行の利用に対して、運賃の50%または30%のポイントが貯まる。

JR東日本は利用者が多いので、特に利用を促進する必要は無いように思われる。今回の乗車ポイントの導入は、オフピーク通勤を視野に入れたものとも考えられる。


記名式のPASMOで貯まる東京メトロの「メトポ」。

JR東日本が始めた乗車ポイントは、利用する運賃に対して得られるものになる。モバイルSuicaの場合、50円ごとに1ポイント。カードタイプのSuicaの場合は200円ごとに1ポイントが貯まり、1回の利用が200円に満たない場合も1ポイントがもらえる。

例えば、東京駅から津田沼駅まで乗車した場合、IC運賃は473円になるので、モバイルSuicaだと9ポイント、カードタイプのSuicaだと2ポイントが貯まる。モバイルSuicaの方が断然お得なので、カードタイプのSuicaを利用している人なら、この機会にスマホ決済に移行してみるのもいいだろう。

なお、JR東日本の乗車ポイントを貯めるには、まず利用するSuicaを「JRE POINT」WEBサイトに登録する必要がある。登録できるSuicaはMy Suica(記名式)、Suica定期券、モバイルSuicaのほか、クレジットカードのSuica付きビューカードなど。券面に名前の印字がない無記名のSuicaや、記念Suicaは登録できない。


「JRE POINT」WEBサイトに登録できるSuica。

「JRE POINT」WEBサイトに登録するには、メールアドレス、パスワード、会員規約を確認して登録。Suicaの裏面右下にある「JE」で始まる17桁の番号、名前、生年月日、性別、電話番号、住所を入力する。登録が完了すると、メールアドレスに登録完了メールが届く。

乗車ポイントは乗車した翌月下旬に、1ヵ月分がまとめて付与される。10月分のポイントは11月21日に反映された。乗車ポイントを意識して、この1ヵ月間は積極的にJR東日本の電車を利用してきた筆者。さて、いったいどれくらいのポイントが貯まったのだろうか?

【1カ月使ってみた】JRE POINTはいくら貯まるのか

「JRE POINT」サイト。乗車ポイントで160ポイントを獲得した。

筆者はモバイルSuicaを利用しているので、乗車ポイントで160ポイントが貯まったということは、単純計算で8,000円分、JR東日本に乗車したことになる。このペースで乗車すれば1年間で約2,000ポイントが貯まる計算になる。

筆者は『ビューカード』からSuicaにチャージしているので、その分でも1.5%のポイントが貯まる。毎月、平均して2万円をチャージしているので、その分で月300ポイント。年間3,600ポイントとなり、乗車ポイントと合わせると5,000ポイントを超える。普通に電車に乗るだけで年間5,000ポイントが貯まるなんて実にお得だ。

さらにポイントを貯めようと思えば、東京メトロの区間ではPASMOで乗車し、前述の「メトポ」を貯めることもできる。「メトポ」にはオフピーク通勤で貯まるポイントもあるが、本来は乗車回数によってポイントが付与されている。

10月は平日に13日、東京メトロを利用したので、ボーナスポイントを含めて49ポイントが得られる計算になる。

これ以外にSuicaを駅構内のカフェで利用したりもしているので、実際にはもっと多くのポイントが貯まっているが、単純計算で1ヵ月500ポイント以上になるのは大きい。今後、東京メトロ区間ではPASMOを利用するよう心掛けていきたい。

ポイントがもらえるからと、通勤時間を早めにするオフピーク通勤は、ポイントを意識していない人にとってはピンとこないかもしれないが、ポイントはそういったことができるモチベーションになり得る。

実際、10月はいつもなら東京メトロを利用するところ、少し歩いてJR東日本に乗車することも多かった。幕張メッセや横浜での仕事も、いつもなら遠くてテンションが下がるのだが、10月は「ポイントがたくさん貯まる!」と、積極的に出掛けることができた。

単にポイントが貯まってお得というだけでなく、仕事へのモチベーションにも影響する乗車ポイント。外出の多いビジネスパーソンならうまく活用して、お得とやる気の両方を手に入れてみてはどうだろう?

取材・文:綿谷禎子

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