マッキャンエリクソンを傘下に持つインターパブリック・グループのグローバルメディアグループ、IPGメディアブランズは、15~74歳の2,400人を対象に「Media in MindTM 2019 デジタルメディア調査」を実施し、その結果を公表した。
- 2030年頃までに実現・普及していると思われる技術は、おおむね8割以上認知されている
- 期待度の高い技術上位3つは、「医療技術(ナノテクノロジー)」「医療技術(iPS細胞、ゲノム編集)」「介護ロボット」
- AI住宅、IoT家電、ウェアラブル端末など個人の生活を便利にしてくれる技術に対しては、20~40代の期待が高い
全体的に各技術の認知は高い結果となり、総じて、女性の認知は男性よりも低い傾向にあり、とりわけ、AI住宅やウェアラブル端末は、女性での認知が男性と比べて10ptほど低い年代層もあったことから、結果として全体の中では低めの認知となった。
完全自動運転車や日常会話のできるロボット、空飛ぶ自動車といった、映画やアニメの世界のモノだったものが今や実現可能になってきているなか、予想に反して、これらへの期待度は相対的には低く、医療や介護など、いわば人の生命を維持・サポートする技術への期待のほうが高い結果となった。
また、上位には「翻訳・通訳技術」や「農業ロボット」がランクイン。
これらは、労働人口の減少が社会問題となっているなか、外国人就労者によるダイバーシティ化が進み、日本国内でさえも外国語でのコミュニケーションが必要になってきていることや、農家の人手不足の解消への期待などが影響を与えていると考えられると同社は推測している。
未来の技術に対しても、あくまで人間の基本的欲求を満たしてくれる技術や社会問題への解決策となる技術のほうが、期待が高いという表れだという。
性年代別にみてみると、いずれのセグメントにおいても、医療技術や介護ロボットが上位にランクインしているが、スコア自体は年齢が上がるにつれて上がる傾向に。
さらに、コレスポンデンス分析によって、各セグメントによる特徴を分かりやすくしたところ、AI住宅、IoT家電、ウェアラブル端末など個人の生活を便利にしてくれる技術に対しては、20~40代の期待が高く、空飛ぶ自動車や宇宙開発など、実用化は2030年よりももう少し先と思われる次世代技術に対しては、10代の期待が高いという結果になった。
<調査概要>
調査期間 2019年11月22日~25日
調査方法 インターネット調査
調査実施機関 マッキャンエリクソン、クロス・マーケティング
調査対象者 関東・関西在住の15~74歳のインターネットユーザー全2,400名