デロイト トーマツ グループは、デロイトのテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーが全世界28カ国・地域、4万人以上を対象に実施した「世界モバイル利用動向調査(Global Mobile Consumer Survey)」の2019年版を発表した。
調査結果のトピックスは以下になる。
国内のスマートフォン所有率は74%。他国の水準は8-9割
所有しているもしくは利用できるデバイスは?(各国) ※複数回答
各国のスマートフォン所有率は8-9割と頭打ちだが、スマートスピーカーでは伸びている。国内ではスマートフォンが昨年から6ポイント増加して74%に上ったものの、他国とは10ポイント以上の開きが残る結果に。
また、スマートスピーカーも4%と昨年からほぼ変わらず、いずれも21カ国中で最低水準となった。中国ではスマートスピーカーの所有率が38%と昨年から16ポイント成長しており、利用用途を見ると「オーディオブック」が52%と定着している。
18-24歳世代のキャリア選択は“データ容量や通信の質を重視”
全体の利用状況に大きな変化はないものの、MVNO事業者は昨年に続き増加しており、35-44歳の携帯電話/スマートフォン所有者では27%にまで達している。
携帯電話会社を選ぶ上で、自分にとって非常に重要なのは?(日本/年代別) ※複数回答
一方で、18-24歳の世代では3キャリア(※)の契約比率が高く、「携帯電話会社を選ぶ上で自身にとって重要な要素」として、ネットワークの質/サービスエリアの範囲や無制限データプランの有無など選択していることから、他の世代に比べて通信の質とデータ容量に対する関心が高いといえる。
(※)NTT docomo、au、SoftBank
また、所有者の約半数は1年半以内に現機種を購入しており、次に買い替える理由は「壊れたら」が約半数でトップとなったほか、5Gによる買い替えを挙げた所有者も9%に達している。
約4分の1が5Gの利用に関心を示すが、3割が「わからない」と回答
5Gネットワークに対するあなたの考えに最も近いものを以下からお選びください。 (各国)
日本のスマートフォン所有者は各国に比べて慎重な姿勢ではあるものの、約4分の1が「利用可能になり次第」「評判がよさそう」なら5Gへ乗り換えると回答。
一方で、5Gについて「わからない」との回答も多く、5Gの具体的なサービス(高画質動画や中継配信の視聴、介護支援や遠隔診断など)で、約7割が追加料金を支払ってよいサービスを持たないことから、5Gの本格的導入を前にサービスのメリットがまだ充分に浸透していない可能性がある。
約4割が「スマホの使用管理を試みていない」
あなたは携帯電話を使いすぎていると思われますか?(各国)
近年、「スマホ中毒」などの社会問題の対策として注目されている「デジタル・ウェルビーイング(デジタルデバイスの健全な利用)」だが、携帯電話の利用について日本の所有者は意識が低いことが明らかに。
スマートフォンを使用するにあたり、利用を制限するためにどのような使用管理を試みていますか?(各国)
「スマートフォンを使いすぎている」と回答した所有者は30%と6カ国中で最も低い結果となり、利用を制限するための「使用管理を試みていない」と回答した日本の所有者は37%と対象5カ国中で最多となった。
企業による個人情報利用に対する意識が浸透
あなたがオンラインでやりとりをする企業はあなたの個人データを使用していると思いますか?
企業による個人データの利用について、国内所有者の認識は高まっているものの、欧州などと比較すると20ポイント以上の開きがあり、低い水準に留まっている。
国内の所有者全体を見ると2年前に比べて10ポイント増加しているが、世代別では特に若い世代での意識が低く、「企業が個人データを利用していると思う」と回答した所有者は45%と半数に満たない結果となった。
【調査概要】
調査形式: オンラインアンケート(PC、スマートフォン等)
デロイトが設計した調査項目をもとに外部調査会社にて
実施対象国: 28カ国・地域(データの公開を行っていない国が一部あり)
全調査人数: 44,150人
調査期間: 2019年7月から2019年8月
- <参照元>
- デロイト トーマツ『「世界モバイル利用動向調査2019」を発表』