全年代で“夢よりも現実が支配傾向”に 「夢追い志向」vs「現実志向」

日本リサーチセンターは、自主調査である「人生のベクトルの向きは夢?それとも現実?」の結果を2019年11月6日に公開した。

調査トピックスは以下になる。

「いくつになっても夢を追い続けていたいと思う」は、全体の約4割

全体で「肯定派」(「当てはまる」+「やや当てはまる」)が39%だったのに対して、「否定派」(「当てはまらない」+「あまり当てはまらない」(が25%と、やや肯定派が上回っているが、圧倒的な差はなかった。

性別や年代別でにおいても、特に大きな差はないが、「18~29歳」という若年代においては、男性が肯定派40%/否定派20%なのに対して、女性は肯定派31%/否定派28%と、若い女性に比べて若い男性の方が「夢追い志向」が高い傾向にある。

また男性では、50~60代というキャリア面での大きな移行が見込まれる前後で、肯定派が否定派のダブルスコアを上回っており、「夢追い志向」がより色濃くみられる結果となった。

一方女性では、上記の18~29歳に加えて30~40代でも、否定派が肯定派と拮抗している点が特徴的だ。タイミング要素の一つとしては出産・育児などといった“超現実的対応”が求められることとの関連性も考えられる。

60~70代の高齢者では男女ともに、肯定派が全体平均以上のレベルを示しており、「現役・夢追い人」とでも言うべき意気軒高な様子がうかがえる。

「夢よりも現実を見つめていかなければと思う」は、肯定派が65%

前問「いくつになっても夢を追い続けていたい?」の後に独立して聞いた比較式設問では、肯定派が全体で65%を占めており、否定派はわずか8%。「夢より現実優先」志向が、今の時代のほぼ総意といえる状況だ。

性別、年代別で見ると、全般的に女性の方がより強い肯定傾向に。全ての年代において女性の方が高くなっており、特に女性40代、60代では、肯定派が75%前後を占める一方、否定派は僅少となった。

「夢追い志向」vs「現実志向」では、「現実志向」に軍配

設問文「いくつになっても夢を追い続けていたいと思う」「夢よりも現実を見つめていかなければと思う」の単純な比較は馴染まない点もあるが、「夢より現実」といった意識が支配的な傾向は明らかとなった。

「物事を新たに習い始めるには遅いと感じられる年齢」は、「80歳」と「70歳」がトップ2

全体では、「80歳」がトップ。これに次いで僅差で「70歳」、さらに「60歳」「50歳」と10歳刻みの年齢が少差で続いた。

性別×年代別で見ると、男性に比べて女性の方が「高年齢(までチャレンジ可能)」という傾向が見て取れる。さらに、男性では見られなかった「100歳」が18~29歳、30代、50代で第1位、40代でも第2位となっている。

一方、男性では女性で見られなかった「30歳」が、18~29歳、30代で第1位、60代でも第2位(同数)となっており、女性に比べて「チャレンジ限界年齢」が明らかに低く、男女で対照的な分布を示している。

これらの結果から、「人生100年時代」といわれる中で、人生におけるトライアル、チャレンジといった面では、女性の方がより前向きでアクティブな精神に富んでいる傾向がありそうだ。

同社は、女性は男性に比べてリアリスト傾向だった調査結果と合わせ見たとき、女性のアクティブ精神は、単なる “夢想の世界”としてではなく、あくまでも現実的な生活感覚に基づいているものとしている。

また、生活不安度合が全般で一様に女性の方が高かった点も、こうした現実重視の視点ならでは、との見解を示した。


【調査実施概要】
*対象者/サンプルサイズ(有効回収ベース):
 全国に現居住する、18~79歳の一般男女個人
 -性別(2区分)×年代区分(6区分:18~29歳/30代/40代/50代/60代/70代)
 各セル100名、合計1,200名
*調査方法:WEBリサーチ(自社登録パネル「サイバーパネル」活用による)
*調査期間:2019年8月7日(水)~12日(月)
*企画設計&分析 協力:マーケ戦略 発想所

<参照元>
自主調査「人生のベクトルの向きは夢?それとも現実?」結果発表  女性は男性に比べてリアリストな傾向
日本リサーチセンター

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