小さな“好き”を紡ぐことで世界を広げる 3つの肩書を持ちながら在宅で働くパラレルワーカーの生き方

様々な大人の“はたらく”価値観に触れ、自分らしい仕事や働き方とは何か?のヒントを探る「はたらく大人図鑑」シリーズ。

今回は、スタイリスト、ニットデザイナー、webデザイナーの3つの顔を持ち、2人のお子さんを育てながら在宅でお仕事されている森潤さん。何かにハマるとどんどん突き詰めて自分のモノにしていく森さんの生き方が、現在の仕事を呼び込んでいく好循環に繋がっていました。

苦手な接客業を1年で辞め、スタイリストのアシスタントへ

——今、どんなお仕事をされていますか?

森:スタイリスト、ニットデザイナー、webデザイナーとして活動しています。

——3つのお仕事を同時にこなしていらっしゃるんですね。最初はどのお仕事から始められたのでしょうか?

森:最初はスタイリストからです。ファッションの専門学校を卒業後、アパレル企業に就職して大手百貨店勤務になりました。

でも、接客業が嫌いすぎて(笑)、1年で退社し、アルバイトをしつつ、スタイリストのアシスタントについたんです。

——アシスタント先はどのようにして見つけられたんでしょうか?

森:接客の仕事がつまらなさすぎて毎日地獄だったので、その反動で、「絶対自分が好きな仕事をして楽しもう!」と決めたんです。

好きなスタイリストさんが担当しているファッション誌の編集部に電話して、「アシスタントにつきたい!」と伝言してもらいました。

それから数日で面接して、すぐにアシスタントにつくことができました。

——アルバイトは何をやられていたんですか?

森:趣味の編み物を活かしてニットの縫製をしていました。編み物は子どもの頃から好きで得意だったんです。

——その趣味の編み物を活かしてニットデザイナーとして活動されるのはいつ頃からでしょうか?

森:スタイリストとして独立すると同時に、コレクションブランドのニットデザイナーとして活動を始めました。

——スタイリストとして独立されるきっかけは何だったんでしょうか?

森:3年間はアシスタントとして頑張ろうと思っていたんですが、2年が経過した頃には、リースのやり方や撮影現場での立ち位置など、仕事の大部分をこなせるようになっていたんです。1人で現場を任されることも増えてきていました。

当時アシスタントについていた師匠が後押しをしてくれたのもあって、独立することになったんです。

——森さんのどういった部分が評価されたのだと思いますか?

森:編み物好きが高じて個人的にニットのデザインなんかも手掛けていたんですが、「そういう個性は強みになるし、あなたの持ち味だから大切にしなさい」と言っていただいていましたね。

「スタイリストになるには個性が必要」とずっと言われていたので、そういう部分を評価していただいたんじゃないかなと思います。

——ニットデザイナーとしてお仕事を得られるようになるのは何がきっかけだったんですか?

森:あるファッション関連のパーティに参加した時に、身に着けていた自作のニットをアパレルの方に褒めていただいたんです。

そこから、「うちでニットデザインやってみませんか?」とお声がけいただき、参加することになりました。

——webデザイナーという仕事を始められたきっかけは何だったんでしょうか?

森:29歳で出産したのをきっかけに、スタイリスト、ニットデザイナーの仕事と平行して手芸の出版社に所属したんです。

たまたまスタイリストとして営業をかけていた編集の方に、「人が足りなくて、しばらく手伝ってくれない?」と、こちらも声をかけていただいて。

——編集の仕事はそこから学ばれたんですか?

森:そうです。編集の仕事を通してDTP(パソコンでデータを作成し、実際に印刷物を作成すること)を学び、紙媒体からwebに興味が湧いたので、さらにwebの勉強を始めました。

出産を機に働き方改革!在宅ですべての仕事をこなすように

——そこからお2人目を出産されて働き方を変えられるんですよね。

森:2人目の出産を機に、基本的に在宅で仕事ができるようにオンラインでスタイリストの活動を始めました。

打ち合わせの時間以外は、ニットデザインとwebデザインも在宅で行っています。

——オンラインでスタイリストの活動というのは具体的にはどのような働き方でしょうか?

森:オンライン上でコーディネートを提案したり、スタイリングのアドバイスを行っていたりします。

色々リサーチしていたらパーソナルスタイリストの仕事を募集していたので、応募して適正テストなどを受け、合格したので始めたんです。

——自宅でお仕事されるというとメリットしか思いつかないんですが、森さんが思うデメリットってありますか?

森:自分でけじめをつけなければいけないことでしょうか。

会社だと勤務している時間はずっと仕事モードでいられますよね。

でも家だと家事や雑用もあるし、自分で時間の使い方はきっちり管理しなければなりませんね。

——元々好きだったことを全部仕事として手掛けていらっしゃる印象です。

森:やりたいことを見つける努力は幸いにもしたことがないんです。

好奇心旺盛なので、やりたいことはまだまだいっぱいあります。

今は、まったく新しいこともやってみたくて、何か身体を動かしながらできる仕事ってないかなって模索中です。

週に1度、ジムに通っているんですが、走りながら「この時間お金にならないかな~」って考えています(笑)

肩書は自分で決める。好きな仕事が仕事を運んできてくれる

——フリーランスで活動していこうと思ったのはなぜですか?

森:生意気な性格なので、人の下につくのが苦手で苦労したっていうのもありますね。

年齢を重ねて、ある程度人に合わせて生きていくこともできるようになりましたが、今でも決して得意ではないです(笑)

——フリーランスとして活動していく中で、良かったなと思われるのはどういう点でしょうか?

森:肩書を自分で決めることができるので、今のように並行して色んな仕事ができることです。

スタイリストとしての現場で名刺を交換すると、「ニットデザインもやられるんですね」って反応があって、ニットデザインの仕事がやってくることもあります。そうやって広がっていくのは嬉しいですね。

この業界って、「こういう人がいるよ」って口コミで仕事をいただく機会も多いので。

でもフリーランスは会社員みたいに守られていないし、仕事をいただけないかぎりお金も入ってこないので、そういった不安はもちろんありますよ。

——森さんが、“はたらく”を楽しいと思えるのはどういった瞬間ですか?

森:自分以外の人のために動いていると楽しくなってくるんですね。

作ったニットを買ってくれた人が喜んでくれたり、自分の担当したスタイリングを見て服を買ってくれる人がいたり。

楽しい仕事をした上に、そういった嬉しいフィードバックがあると、やる気がさらに出てきて楽しくなってくるんです。

——何か心がけていらっしゃることはあるんでしょうか?

森:興味のある分野はとことん調べることです。

私、1つのことに興味を持つとハマっちゃって突き詰めるタイプなんですよ。

でもそうやって勉強したことが全部仕事に活かされてると思います。

——“はたらく”を楽しもうとしている方へのメッセージをお願いします。

森:日常の小さな“好き”に目を向けてみてください

私は小さな頃から趣味だった編み物やファッションを突き詰めてきたら、今の仕事に巡り合えました。

ファッションが好き、美容が好き、音楽が好き、人が好き。

何でも良いと思うんですが、そこからどんな仕事があるのか調べて、その仕事に就く努力をしてみると、自然と好きを仕事に活かすことが出来る気がします。

森 潤さん(もり じゅん)
スタイリスト・ニットデザイナー・webデザイナー
1980年10月6日生まれ。アパレル会社に就職し大手百貨店勤務後に退職。スタイリストアシスタントを経て独立。同時にニットデザイナーとしての活動を開始。出産後にwebデザインを学び、リモートワークにてスタイリスト、ニットデザイナー、webデザイナーとして活動中。

転載元:CAMP
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