カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(以下、カウンターポイント)は、世界のオンライン音楽ストリーミングの売り上げが、2019年上期に前年同期比18%の成長を遂げ、110億米ドル(日本円約1.2兆円)を超えたという調査結果を2019年10月23日に発表した。
2019年全体の売り上げ予測は“240億米ドル”
月間アクティブユーザー数は、前年同期で21%伸び、一方、有料プラン契約者数は前年同期比で32%伸びているという。同社は、オンライン音楽ストリーミングの売上は、前年同期比20%増のペースでこれからも増え、2019年全体の売り上げは240億米ドル(約2.6兆円)に達するとの予測をしている。
また、Spotifyが、売上及び有料プラン契約者数の両方において、2019年上期の市場をリードし、業界の総収入の31%、有料プラン契約者数の35%を占めていることが明らかとなった。
Appleは業界総収入の25%、有料プラン契約者数は20%と遅れを取る形となっている。その中、Tencent Musicは、子会社のQQ Music、Kuwo、Kugouを通じて、グローバルMAU(月間アクティブユーザー数)において最も高いシェアとなる31%を獲得。ただし、Tencentのユーザーの9割は無償サービスを利用しているという。
現在、音楽ストリーミング各社は、トライアル期間の設定やプロモーションを通じて、有料プラン契約者数を増やすことに注力しており、それによって自社へのロイヤリティを高め、ユーザーを引き留めようとしている。
Apple Musicの有料プラン契約者数は、2019年上期に前年同期比で55%増加し、同様にGoogle MusicとYouTube Musicを合わせた有料プラン契約者数は、前年同期比56%増加。ロシアのYandex musicも絶対数は少ないながらも、有料プラン契約者数を前年同期比89%増加させているとのことだ。
同社は、今後の各社の競争について、有料プラン契約者数を伸ばしつつ、長期的なコストを抑えられるかで、将来の覇者が決まるだろうとの見解を示している。