NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションと立教大学経営学部教授・有馬賢治氏は、「消費者のネット環境を基礎としたコミュニケーション手段と羞恥心」について調査し、2019年10月3日に結果を発表した。
主なトピックスは5つ。
- ネット環境で多く利用するコミュニケーション手段はLINE
- 直接的対話は若い世代で低い傾向に
- 30代以下の女性は恥ずかしいと感じる場面が多い
- 性別・世代別に関わらず恥ずかしいと感じる場面は、大勢の前で話すこと、好意を告白すること
- 若い世代ではネット空間のなかで恥ずかしいと感じる場面が多い
ネット環境で多く利用するコミュニケーション手段はLINE
日常生活において、他者との対話や発信で主に利用しているコミュニケーション手段を尋ねたところ、60代以外ではLINEの利用率が5割を超えていた(複数回答可)。
10代では9割以上がLINEを利用。特に女性10代では97.4%という利用率の高さだった。
次に高かった手段はメールで、30代以上では7~8割の利用率だった。一方で、若い世代でのメール利用率は20代で5割程度、10代では4割以下だった。
Twitterは、女性10代以外での利用率が5割以下だった。対して、20代以下では4割程度がTwitterを利用。性別でみると、20代以上で男性の利用率が女性を上回る結果となった。
直接的対話は若い世代で低い傾向に
日常生活での電話や対面による他者とのコミュニケーションは、10代、20代では4割を切る結果となった。
特に、男性10代は29.6%と3割を切り、9割以上の利用があったLINEとは対照的だった。直接的な対話は、世代が上がるにつれて利用率の増加傾向がみられた。
30代以下の女性は恥ずかしいと感じる場面が多い
普段の他者とのコミュニケーションで、どのような時に恥ずかしいと感じるのかを38の場面を想定して5点尺度で選択してもらい、平均値を性別・世代別に集計した(5:特に当てはまる~1:全く当てはまらない)。
平均値が3.3以上の回答は、30代以下の女性では20項目程度が該当した。
特に、女性10代の平均値が高く、多くの場面で恥ずかしいと感じていると考えられる。ネット上での場面の特徴は、自身の言動や写真に対して多い傾向にあった。
一方、男性は、本質問項目で恥ずかしいと感じる場面は少ないようであり、10代で7項目が高得点だったが、40代以上では1つも該当しなかった。
性別・世代別に関わらずに恥ずかしいと感じる場面は、大勢の前で話すこと、好意を告白すること
性別・世代に関わらず恥ずかしいと感じる場面の特徴は、「大勢の人前で話す時」(平均値3.51)、「好きな人に面前で好意を告白するとき」(3.52)のふたつで、ほぼ全ての世代で高得点だった。
次いで「好きな人に電話で好意を告白するとき」(3.45)、「好きな人にメールで好意を告白するとき」(3.27)の好意を告白する場面が上位に入った。
若い世代ではネット空間で恥ずかしいと感じる場面が多い
10代、20代を中心に、SNSを通じてネット空間で恥ずかしいと感じる場面が多く想定された。特に、公開されたSNSのなかでは恥ずかしさを感じる場面が多い傾向が読み取れる。
類似のシチュエーションであっても、限定されたメンバー間でのSNSでは平均値が低くなる傾向にあった。ネット空間でもパブリックとプライベートを区別する意識があると考えられる。
※調査概要
調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニター
調査方法: 非公開型インターネットアンケート
調査期間: 2019年6月24日(月)~2019年6月26日(水)
有効回答者数: 1,574名
回答者の属性:【性別】男性:49.9%、女性:50.1%
【年代】10代:19.8%、20代:19.6%、30代:19.7%、40代:13.6%、50代:13.7%、60代:13.6%
<出典元>
「消費者のネット環境を基礎としたコミュニケーション手段と羞恥心に関する調査」
NTTコム リサーチ