日立製作所(以下、日立)および日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)は、日立が開発したAI画像解析技術を活用し、防犯カメラなどの映像に映る人物の中から、性別、年齢層、服装など100項目以上の全身特徴を使って特定人物を高速に発見・追跡することが可能な「高速人物発見・追跡ソリューション」を日立産業制御が製品化し、10月7日から販売を開始することを発表した。

「高速人物発見・追跡ソリューション」とは

本ソリューションは、防犯カメラで撮影された人物の数万人規模の映像解析データ(*1)に対して1秒以内で特定人物を高速に検索・発見し、防犯カメラの位置情報や撮影時刻を使って移動経路を追跡するもの。

駅や空港、商業施設での不審者や迷子の早期発見のほか、警察や自治体などの公共機関において、防犯カメラ映像の目視による監視や記録映像の確認といった業務の負荷軽減・効率化と警備の高度化を支援するという。

また、防犯カメラの映像から顔を識別できない場合でも、人物特徴から発見・追跡が可能なため、事件・事故の見逃しの防止に寄与するとのことだ。

なお、本ソリューションは、日立産業制御が提供する「フィジカルセキュリティ統合プラットフォーム」(*2)上に、「高速人物発見・追跡機能」として実装し、提供するもの。

「高速人物発見・追跡ソリューション」は、セキュリティ分野のみならず、工場や物流現場における作業者や商業施設、公共施設における来場者の行動分析など、産業分野や小売・流通分野、公共分野などさまざまな分野への応用が期待できるという(*3)。

両社は今後も、大規模な映像監視システムをはじめとするフィジカルセキュリティソリューションの開発を推進し、また、幅広い分野のセキュリティ強化や経営課題解決へ適用し、社会の安全・安心に貢献していくとしている。


*1 映像から全身特徴を高速に判別、データベース化したもの。
*2 フィジカルセキュリティ統合プラットフォーム:2017年3月に株式会社日立製作所、株式会社日立産業制御ソリューションズ、株式会社日立システムズ、株式会社日立国際電気の4社で開発した、防犯カメラや入退室管理システムなどの各種フィジカルセキュリティシステムのデータやIoTの各種センサーデータなどを一元的に収集・蓄積・分析するためのプラットフォーム。
*3 人に関するデータを取り扱う場合は、プライバシーに対する配慮を行い、適切な対策を講ずる。