会計ソフトをAIで分析。国内初のバランスシート・レンディングシステムの提供開始

フィンテック技術者の団体、一般社団法人フィンテックガーデンが、国内初のバランスシート・レンディング特許を利用したフィンテックシステム「ローズガーデン(開発コードRoseGarden)」を地銀・信用金庫を中心とした金融機関向けに2019年10月より提供を開始した。

バランスシート・レンディング「ローズガーデン」とは

企業の事業データに基づく融資サービス。金融機関は企業の各種事業データを活用し融資可能の可否を判別する。

従来、海外で利用されているバランスシート・レンディングシステムは、AIを活用したスコアリングにより、返済の可能性を点数化し融資額や融資条件、金利などを決定し自動的に融資を行うサービスであり、融資の申し込みから審査、融資の実行までを全てオンライン上で行なうため、実際に融資が実行されるまでの時間が早く、申込みから数分後には融資が実行される場合もある。

また融資を行う事業者は、従来の金融機関ではなくレンディング業者が自らリスクを取って貸し出しを行っているため、レンディング業者はリスク回避のため金利が15%から40%と非常に高く短期の資金繰りのために利用される場合が多いのが特徴だった。

しかし日本の金融機関は長期融資が一般的であるために金利が低く抑えられており、また自動的に融資を実行するというのは日本の金融機関には様々な問題が残っている。

「ローズガーデン」は新規融資先の財務審査を行い、その先は金融機関に委ねるという役割分担の手法を取り入れた日本型バランスシート・レンディングシステムとなっている。

今回発表されたバランスシート・レンディングは、会計ソフトのBS/PLデータをAIにより分析して、個々の金融機関の融資基準に達した企業へ融資の案内を送る、新タイプの「プッシュ型バランスシート・レンディング」。

会計ソフトと連携し、他行の借り入れや入出金データなど、企業の資金繰り状況をリアルタイムで把握することができるため、埋もれている隠れた優良企業を掘り起こすことができるという。

また従来、審査に活用するデータは、過去の決算書類や税務申告書などいわゆる静的なデータを活用してきたが、同サービスによる審査では、月単位での試算表を利用しリアルタイムに企業の財務状況を確認することが出来るため、効率的な融資審査を行う事も可能とのことだ。

モバイルバージョンを終了