星野リゾートは、「星のや軽井沢」から開始した歯ブラシのリサイクルの仕組みを、2019年10月1日をもって、同社が運営する国内30の宿泊施設へ導入したことを発表した。

年間100万本以上も廃棄されている使用済み歯ブラシを回収し、再資源化することで、プラスチック製品への再利用を推進するという。

回収後の再利用工程については、昭和刷子とJTB商事が協力し、法令に従ったリサイクルを行っていくために行政との調整を含めた高いハードル、施設での確実な分別などリサイクルに伴ってコストも生じるが、昭和刷子・JTB商事、両社との長年の取り組みを規模拡大することで、社会的な役割を果たしていくとしている。

星野リゾートの環境経営~3つの指標要素~

  • EIMY
  • Energy In My Yard の頭文字をとったもので、自分たちの使うエネルギーはできる限り自らの場所の自然エネルギーでまかなおうという考え方。

    星のや軽井沢(長野県・軽井沢町)では、自家水力発電と地中熱・温泉排熱利用設備を導入し、使用エネルギーの約7割を自給しているという。(2017年時点68%)

  • ゼロエミッション
  • 運営によって生じる廃棄物の単純焼却・埋立てごみゼロ=リサイクル率100%を目指す取り組み。軽井沢事業所では、「ゼロ委員会」を立ち上げ、2011年11月、多品種の廃棄物が排出されるホテルでは難しいとされてきたゼロエミッションを達成。

  • エコツーリズム
  • 地域の生態系を保全しながら、お客にその魅力を伝え、理解を深めていこうという観光のあり方。星野リゾートのエコツーリズム専門家集団「ピッキオ」は、心躍る野生動植物との出会いをサポートし、そのおもしろさにふれるネイチャーツアーの提案、人とクマの共存を目指したツキノワグマの保護管理事業を行っている。

今後、歯ブラシの取り組みに続いて、「星のや」で利用している基礎化粧品パッケージに「LIMEX」素材を採用し、同時に回収・再資源化する取り組みを今秋よりスタートし、プラスチックごみ削減に向けた活動を他のホテル利用品にも広げていく予定だとしている。