日本財団は8月下旬、経団連と大学が従来の「新卒一括採用」を見直し2021年春の新卒生から導入する「通年採用」と、高校生の就職活動の慣行である「一人一社制」の見直しという動きをを中心に18歳意識調査を実施。2019年9月17日にその結果を発表した。
主なトピックは3つ。
- 「2021年春の通年採用」 賛成29.5% 反対6.4%
- 通年採用、賛成の理由1位は「企業・学生とも時間をかけて相手を選べる」54.2%
- 「一人一社制の見直し」 賛成47.3% 反対4.3%
「2021年春の通年採用」 賛成29.5% 反対6.4%
対象者に「新卒一括採用」から2021年春からの「通年採用」への切り替えについて質問したところ、「通年採用」に対する賛成は29.5%、反対は6.4%となった。
賛成理由としては「企業・学生とも時間をかけて相手を選べる」(54.2%)、「企業が実績や能力のある人材を獲得できる」(43.4%)、「就労形態が多彩になる」(42.7%)などが挙げられている。
通年採用では一括採用時に留学や課外活動などで難しかった学生たちの就職活動に道が開けるとされているが、64・1%が「わからない」と答え、就職活動が現実にどう変わるのか、十分、把握できない戸惑いもあるようにみられる。
「賛成」の理由は「企業・学生とも時間をかけて相手を選べる」が最多
通年採用に「賛成」の理由は、「企業・学生とも時間をかけて相手を選べる」(54.2%)が最多だった。他、「企業が実績や能力のある人材を獲得できる」(43.4%)、「就労形態が多彩になる」(42.7%)が上位に挙がっている。
通年採用に「反対」の理由は、「就職活動期間には区切りがほしい」「実績がない新卒には不利」(各35.9%)など。次いで、「就職活動が長引く」「勉学に支障がでる」(各32.8%)と続いている。
「一人一社制の見直し」賛成47.3% 反対4.3%
また、高校生の就職活動における「一人一社制」の見直しについて質問したところ、賛成する意見は47.3%、反対は4.3%、48・4%が「わからない」との結果になった。
一人一社制ルールを見直す動きに「賛成」の理由としては、「いろいろな可能性を試せる」、「就職先の幅が広がる」、「複数の企業に応募できるようになると選択肢が増える」など歓迎する声が目立った。
「高校生と大学生で就活のルールを変える意味が分からない」「高校生にも大学生同様の権利を与えるべきだと思う」など、高校生と大学生でルールが違う点に不公平さを指摘する意見もあった。
「反対」理由では、「知識が浅い段階では1つに絞って勉強した方がいい」や「高卒生は慎重に就職先を決めるべき」といった声のほか、「大卒を優遇してほしい」と回答もあった。
「わからない」では「システムを理解していない」「メリット・デメリットを理解出来ていない」「あまり考えたことがない」といった声が目立った。
※調査概要
■対象:全国の17歳~19歳男女
■回答数:1000人
■期間:2019年8月8日(木)~8月10日(土)
<参照元>
「「2021年春の通年採用の導入」賛成29.5% 反対6.4%、高校生の就活「一人一社制の見直し」賛成47.3% 反対4.3%」
「日本財団『18歳意識調査』調べ」