GMOあおぞらネット銀行は、ビジネスパーソン1,000名を対象に「老後資金」に関する調査を実施、2019年9月11日にその結果を発表した。
今回はその調査結果の中から以下の2つのトピックを抜粋して紹介する。
- 「老後の生活資金として2,000万円を貯められると思う」33%
- 老後の生活資金は「3,462万円」あれば安心
33%が「老後の生活資金として2,000万円を貯められると思う」
全国の20歳~49歳のビジネスパーソン1,000名(全回答者)に、現在の預貯金額を聞いたところ、「100万円未満」(27.7%)に回答が集まったほか、「300万円~500万円未満」(12.9%)や「500万円~1,000万円未満」(12.3%)などにも回答がみられ、平均額は695万円となった。貯蓄が100万円に満たない人の割合は、36.5%だった。
平均額を年代別にみると、20代452万円、30代682万円、40代952万円だった。
全回答者(1,000名)に、現在行っている資産運用について聞きました。何らかの資産運用を行っている人の割合をみると41.0%となった。
資産運用を行っている人の割合を男女・年代別にみると、高くなったのは40代男性(53.0%)、低くなったのは20代女性(28.9%)でした。若手ビジネスウーマンでは、他の層と比べて資産運用に取り組んでいる人が少ないようだ。
では、どのような資産運用をしている人が多いのだろうか。資産運用を行っている人(410名)に、現在行っている資産運用について聞いたところ、1位「株式投資」(43.7%)、2位「投資信託」(35.6%)、3位「外貨預金」(28.3%)、4位「確定拠出年金(iDeCoなど)」(20.7%)、5位「FX」(12.0%)となった。株式投資や投資信託を活用している人が多いようだ。
男女・年代別にみると、「株式投資」では40代男性(55.7%)がもっとも高くなりました。
2019年6月に金融庁の報告書によって公表された試算結果によると、公的年金だけでは、65歳からの30年間で生活資金が約2,000万円不足する可能性があることが指摘されている。この、いわゆる“老後2,000万円問題”は、ビジネスパーソンの意識や行動にどのような影響を与えたのだろうか。
まず、全回答者(1,000名)に、“老後2,000万円問題”の話題を見聞きしていたか聞いたところ、「見聞きしていた」は83.8%となりました。“老後2,000万円問題”はニュースや新聞、情報番組などで大きく報じられたためか、多くのビジネスパーソンが見聞きしていたようだ。
年代別にみると、「見聞きしていた」は20代80.5%、30代82.3%、40代88.6%と、年代が上がるほど高くなった。
老後の生活資金で「3,462万円」あれば安心できる
全回答者(1,000名)に、老後の生活資金として、最低いくらあれば安心できると思うか聞いたところ、「1,000万円~2,000万円未満」(22.4%)や「2,000万円~3,000万円未満」(21.0%)、「3,000万円~5,000万円未満」(17.8%)に回答が集まりました。平均額は3,462万円で、金融庁の試算で提示された“2,000万円”の約1.7倍となった。
平均額を年代別にみると、20代3,109万円、30代3,552万円、40代3,725万円と、上の年代ほど、必要資金を多く見積もっていることがわかった。
ビジネスパーソンは、老後の生活資金を作るために、どのようなことが必要だと考えているのだろうか。全回答者(1,000名)に、老後の生活資金を作るための方法を挙げ、それぞれについてどのくらい必要だと思うか聞いた。
必要だと考えている人の割合(『必要(計)』:「非常に必要」と「どちらかといえば必要」の合計)をみると、【生活費の見直し】では79.4%、【定年後の就労】では77.8%、【共働き】では74.6%、【副業】では65.7%、【投資による資産運用】では63.0%となった。ビジネスパーソンの多くが、老後の生活資金を準備するために、生活費の見直しや働き方の工夫が必要と考えているようだ。
ビジネスパーソンの多くが、老後の生活資金作りのために働く必要があると考えていることがわかった。では、何歳くらいまで働きたいと考えているのだろうか。
全回答者(1,000名)に、何歳まで働きたいか聞いたところ、「60歳~64歳」(28.5%)や「65歳~69歳」(24.7%)に回答が集まり、平均年齢は65.8歳となった。かつては60歳での定年退職が一般的だったが、現在では65歳定年制を導入する企業が増えているほか、70歳まで働くことができるような環境作りも進められている。
長く働きたいと思う人が希望どおり働ける環境作りが進められているためか、65歳を過ぎても働きたいと考える人は少なくないようだ。
平均年齢を男女別にみると、男性は66.7歳、女性は64.9歳となった。
次に、全回答者(1,000名)に、安心して老後の生活を送るためには、何歳まで働く必要があると思うか聞いたところ、「65歳~69歳」(30.6%)や「70歳~74歳」(23.2%)に回答が集まり、平均年齢は69.6歳と、“働きたい”と考えている年齢の平均(65.8歳)よりも3.8歳高くなった。安心して老後を迎えるためには、希望するリタイア年齢より長く働く必要があると考えられているようだ。
平均年齢を男女別にみると、男性は70.1歳、女性は69.1歳となった。
※調査概要
■調査対象 :全国の20歳~49歳のビジネスパーソン(パート・アルバイトを除く)
■有効回答数 :1,000名(各年代ほぼ均等になるよう抽出)
■調査方法 :インターネットリサーチ
■調査期間 :2019年7月26日~7月29日(4日間)
■設問数 :16問
■調査協力機関:ネットエイジア
<参照元>
「20代~40代 「資産形成」と「老後2,000万円問題」『ビジネスパーソンの老後資金に関する調査2019』」
GMOあおぞらネット銀行