小中高校のプログラミング教育、約8割が導入へ

レゴ エデュケーションは、2020年度からの新学習指導要領実施に伴い、今後小中高校で必修・高度化されるプログラミング教育に関して、教育現場での取り組み状況や課題などを理解することを目的に、国内の学校教育関係者を対象とするアンケート調査を実施し2019年9月10日にその結果を発表した。

調査の結果、約8割が、学校でプログラミング教育の導入や準を始めており、約3割が、プログラミング教育における狙いを授業で実践するためには、十分な学習教材や体験型授業の実施が必要であると考えていることがわかった。

主なトピックは3つ。

約8割が、導入中または導入準備中

プログラミング教育の導入について、全体の42%が「既にプログラミング教育に取り組んでいる」と回答し、「導入準備に取り掛かっている」(37%)との回答と合わせると約8割が、導入中または導入準備中であることがわかった。

2020年度からプログラミング教育が必修化となる小学校の教員に限定すると、37%が「既にプログラミング教育に取り組んでいる」、42%が「導入準備に取り掛かっている」と回答し、新学習指導要領の実施に向けた準備が進んでいる様子がうかがえた。「まだ準備が進んでいない」と回答したのは、全体で14%(小学校で15%)だった。

また、プログラミング教育についての生徒の反応については、「楽しみにしている」、「興味を示している」という前向きな回答が全体の89%となった。

期待するのは「楽しく取り組めること」

導入が進んでいる、進んでいないに関わらず、プログラミング教育で力を入れたい点(複数回答可)は、「楽しく取り組めること」(75%)、「論理的な思考や客観的な思考を養うこと」(72%)、「試行錯誤と成功体験を味わわせること」(70%)が上位3項目となり、「実用的なプログラミングの能力を育てること」との回答は18%に止まった。

授業を通して生徒に身に付けてほしい事(期待する変化)としては、「論理的な考え方」(62%)、「積極的に物事に取り組む姿勢」(57%)、「失敗を恐れずにチャレンジすること」(57%)が上位3項目となった。

必要なのは「学習教材」と「体験型の授業」

これらの目的を達成するためにもっとも必要なものとしては、「十分な学習教材」(33%)がトップとなり、「体験型の授業」(30%)、「十分な授業時間」(14%)との回答が続いた。

困っていること(複数回答可)としては、「予算」(62%)、「IT環境」(56%)、「授業時間」(54%)の不足との回答が半数以上となり、トップ3項目だった。また、「情報」(34%)と「教員数」(30%)が不足しているとの回答も、3割に上った。この結果からは、教育現場における理想と実践には、一定程度のギャップがあることが推測される。

また、この結果は、米国の調査機関であるハリス・ポール(Harris Insights & Analytics)が4月に発表したグローバルでの学習自信度調査で、91%の教師が「体験型の授業が重要」と考えているものの、「授業時間の不足」(66%)、「カリキュラムの制限」(54%)、「リソース(人材、教材)不足」(35%)、「予算不足」(33%)が問題であると回答した結果と類似しており、現場の教員が抱える問題はグローバルで共通のものであることが見て取れるとしている。


※調査概要
・実施対象者:「レゴ® エデュケーション カンファレンス2019」へ出席した学校教育関係者(小学校~大学教員、教育委員会の職員等)
・回答者数:286
・調査日:2019年8月7日、9日
・実施主体:レゴ エデュケーション

<参照元>
「レゴ エデュケーションの「プログラミング教育に関する調査」で教育現場のニーズが明らかに」
レゴ エデュケーション

モバイルバージョンを終了