中小事業者のキャッシュレス決済は導入が49.5%

TAG:

デザインワン・ジャパンが運営する中小事業者の調査・研究開発部門「エキテン総研」は、全国の店舗関係者に対して「中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査」を実施、2019年8月30日にその結果を発表した。

全国の中小事業者におけるクレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済などのキャッシュレス決済の導入実態は、「導入している」が49.5%、「導入していない」が50.5%とほぼ半々であるという結果が得られた。

また、キャッシュレス決済を導入している店舗の多くは良かった点として、「売上が増加した」と回答。悪かった点としては、「運用コストが増加した」との回答が多数を占めている。

一方、導入していない店舗では、半数以上の50.7%が今後の導入について前向きな意向を示している。ただし、導入にあたっては、「加盟店手数料」や「導入コスト」「運用コスト(端末)」などが障壁となっており、実際の行動には移せていない店舗が多いようだ。

売上規模の小さい中小事業者にとって、キャッシュレス決済の導入は売上拡大が期待できる施策のひとつ。しかし、その反面、手数料などのコストによる利益圧迫が懸念されていることがうかがえる結果となった。

主なトピックは6つ。

クレジットカード決済が多数派

キャッシュレス決済を導入している店舗では、クレジットカード決済が多数派であることがわかった。

また、QRコード決済ではPayPayの導入が群を抜いている。

他方の電子マネー決済はクレジットカードやQRコード決済に比べてやや少ない傾向が見られた。

キャッシュレス決済を導入した理由では、「キャッシュレス決済事業者によるキャンペーンでの集客増」という回答がもっとも多いという結果に。キャッシュレス決済の普及・拡大に向けた各キャッシュレス決済事業者のキャンペーン施策が大きな後押しとなった模様だ。

キャッシュレス決済を導入して良かった点としては、「売上が増加した」という回答がもっとも多く、次いで「1人あたりの顧客対応時間が削減された」「現金管理にかかる手間が省けた」との回答が上位に。

一方、悪かった点としては、「運用コストが増加した」を筆頭に「1人あたりの顧客対応時間が伸びた」「専用端末が増えレジ周りが煩雑になった」との意見が多く見られる。顧客対応時間については店舗によって良し悪しがわかれる結果となったのは興味深い点であるとしている。

半数が導入意向を持つものの大多数が行動には至らず

キャッシュレス決済を導入していない店舗に対して今後の導入意向を聞いたところ、「導入する気はない」が49.2%という結果に。一方、半数以上の50.7%は導入について一定程度、前向きな意向を示している。ただし、具体的な行動には至っていないとする回答が大多数を占めた。

キャッシュレス決済を導入しようと考える理由でもっとも多かったものは、「消費増税に伴う利用 客の利便性向上」となった。10月1日に予定されている消費税増税では、キャッシュレス決済時 のポイント還元制度なども予定されている。制度開始にあわせて顧客利便性の向上を図りたいという意向が強いようだ。

キャッシュレス決済導入の障壁としては、「加盟店手数料」「導入コスト」「運用コスト(端 末)」が多数を占めた。売上規模の小さい中小事業者にとって、キャッシュレス決済の導入は売上拡大が期待できる反面、手数料などのコストによる利益圧迫が懸念されているようだ。

キャッシュレス決済導入にあたっての課題が解決された場合、61.4%が「導入する」と回答している。ただし、「わからない」という回答も36.1%を占めるなど、導入に対する慎重な姿勢がうかがえる結果となった。


※調査概要
調査名:中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査
対象者:店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載中の全国の店舗経営者および集客・ 販促担当者
回答数:650調査時期:2019年6月10日~2019年7月3日
調査方法:インターネット調査
調査機関:エキテン総研(デザインワン・ジャパン)

<参照元>
「キャッシュレス決済の導入実態調査を実施(エキテン総研)-中小事業者のキャッシュレス決済導入はおよそ半々」
デザインワン・ジャパン

モバイルバージョンを終了