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2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に関連して、政府は東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の交通混雑緩和に向け、7月22日から9月6日の約1ヵ月間をテレワーク・デイズ2019実施期間と設定し、テレワークの一斉実施を呼びかけていることや、働き方改革の導入などにおいて関心を集めているテレワークについて、総合転職エージェントのワークポートが、全国の転職希望者413人を対象にアンケート調査を行った。
主な調査結果は以下の通り。
- 約70%が会社でテレワークを導入していないと回答。テレワーク・デイズ2019実施前とほぼ変わらぬ結果に。
- テレワーク導入企業は実施に積極的。しかし対象者は一部社員と回答した人が約60%
- 約90%がテレワークの経験なし。テレワーク導入率の低さが明らかに
- テレワークをしたいと回答した人が70%以上。理由は多様な働き方への関心度の高さ
テレワークを導入していない会社は約70%
対象者に、現在の会社(直近の会社)はテレワークを導入しているか聞いたところ、「いいえ」と回答した人が68.8%、「わからない」と回答した人が13.1%、「はい」と回答した人が18.2%となった。
今年3月、国土交通省が発表した「平成30年度テレワーク人口実態調査」では、勤務先にテレワーク制度等が導入されていると回答した人の割合が19.8%と報告しており、本調査の結果とあまり相違ないことから、テレワーク・デイズ2019実施前と現状を比較して結果はあまり変化していないことがわかる。
テレワーク導入企業は実施に積極的だが、対象者は一部社員が約6割
現在の会社(直近の会社)はテレワークを「導入している」と回答した75人に、テレワークの対象者は誰か聞いたところ、57.3%が「一部社員」、42.7%が「全社員」と回答した。
また、同対象者に現在の会社(直近の会社)はテレワークの実施に積極的か聞いたところ、「非常に積極的」、「やや積極的」と回答した人が合わせて80.0%となった。
一方で、「積極的ではない」、「まったく積極的ではない」と回答した人は合わせて20.0%おり、中にはテレワークを導入していても名ばかりの制度になっている企業もあるようだ。
さらに、どんなときにテレワークが認められているか聞いたところ、いつでも認められているといった回答が目立ったほか、「1ヵ月に4回までテレワーク可能」(20代・女性・営業)、「水曜日は奨励曜日となっている」(40代・女性・管理)といった、会社で定められた日数や曜日などに従えばテレワークが可能であるといった回答がいくつか見られた。
また、「災害、インフルエンザなど出勤困難な状況のとき」(40代・男性・システムエンジニア)、「妊婦やけがなどで通勤困難な事情がある人のみ」(40代・男性・その他)といった、通勤や出勤が難しい場合のみ制度を利用できるといった意見も挙がり、テレワークは特別な理由がないと利用できない制度だと考える企業や人がまだまだ多いことがうかがえる。
約90%がテレワークの経験なし
対象者に、これまでにテレワークをしたことがあるか聞いたところ、87.9%が「いいえ」と回答し、「はい」と回答した人は12.1%となった。
約90%の人がテレワークをしたことがないと回答していることから、まだまだテレワークは定着していないことがうかがえる。
一方で、「はい」と回答した50人にテレワークで仕事をするメリットとデメリットを聞いたところ、メリットについては通勤時間がかからない点や満員電車による通勤時のストレスが解消されるといった点を挙げる意見が最も多く見られた。
デメリットについては、意思疎通の難しさを挙げる意見や仕事とプライベートの気持ちの切り替えに苦戦するという意見が多く見られました。
具体的な回答は以下の通り。
▼テレワークのメリット
- 通勤による疲労がない(40代・女性・システムエンジニア)
- 家庭と両立ができる(30代・男性・コンサルタント)
- 体調や気候に関係なく業務ができる(40代・女性・システムエンジニア)
- 自分のペースで仕事ができる(20代・女性・営業)
▼テレワークのデメリット
- 同僚との簡単な確認行為がしづらい(40代・女性・運輸交通)
- チームスタッフや上司との連携がしにくい時がある(40代・男性・管理)
- 自分で集中力を保つ必要性がある(30代・男性・企画マーケティング)
- 楽をしているとか、仕事をしていないというイメージの払拭に力を使う(40代・女性・管理)
テレワークをしたいと回答した人は70%以上
対象者に、テレワークをしたいと思うか聞いたところ、「思う」、「どちらかといえば思う」と回答した人が合わせて73.6%、「思わない」、「どちらかといえば思わない」と回答した人が合わせて26.4%となった。
「思う」、「どちらかといえば思う」と回答した304人にその理由を聞いたところ、通勤時間をカットしてプライベートを充実させたいとの意見が多く挙げられた。また、働き方の多様化を支持する意見も散見され、自分のライフスタイルに合った働き方を望む声が見られた。
一方、「思わない」、「どちらかといえば思わない」と回答した109人にその理由を聞いたところ、仕事と生活の境界線が曖昧になるのではないかと懸念しているようすがうかがえた。また、テレワークという働き方自体を知らないといった声も多数見られ、テレワークの認知度の低さを表す結果となった。
具体的な回答は以下の通り。
▼テレワークをしたいと思う理由
- 通勤時間がなくなれば、スキルアップや私生活の充実化を図ることができる(20代・男性・システムエンジニア)
- 働き方の自由度が広がるため(40代・男性・コンサルタント)
- 生活状況に応じた仕事のスタイルをしてみたい(40代・男性・システムエンジニア)
- 保育園のお迎えなど、子育てや家族のサポートができるため(30代・男性・システムエンジニア)
- 父が半身不随のため介護が必要だが、テレワーク可なら実家からでも仕事ができる(40代・男性・システムエンジニア)
▼テレワークをしたくないと思う理由
- 仕事とプライベートのメリハリをつけたいから(20代・男性・事務)
- 家に仕事を持ち込みたくないから(20代・男性・機械系エンジニア)
- 離れた場所ではコミュニケーションが取りにくいため(40代・男性・クリエイター)
- どのような仕事内容なのか分からないから(20代・女性・接客)
- テレワーク自体知らない(40代・女性・管理)
※調査概要
調査内容 :テレワークについて
調査対象者:同社利用者
有効回答 :413人
調査期間 :2019年8月6日~8月13日
<参照元>
「<働くみんなのホンネ調査>「テレワーク」について調査を実施」
ワークポート調べ