エアトリは、20代~70代の男女942名を対象に「キャッシュレス化」に関する調査を実施、2019年8月27日にその結果を発表した。

主なトピックは7つ。

  • 6〜7人に1人が海外渡航をした際に、現金で購入できなかった経験あり
  • 現金が使えなかった国TOP5は1位は「アメリカ」、次いで「中国」、3位は「韓国」、4位は「フランス」、5位は「スウェーデン」、「カナダ」、「イギリス」。
  • 現金が使えなかった場所TOP5は、レストラン」「カフェ」「空港内」「公共交通機関」「ホテル」。
  • 現在の支払方法メインは、「ほぼキャッシュレス」が32.8%の一方で、「ほぼ現金」も15.8%。
  • キャッシュレス決済方法として使っているものはダントツで「クレジットカード」。「スマホ決済アプリ」は21.3%。
  • 現金払いがメインになっている理由TOP5の1位は「お金を使いすぎてしまいそう」。僅差で「システムに対する不安がある」「現金を使っていて困ったことがない」が2位に。
  • キャッシュレス化の推進について「賛成」が半数超え。一方「反対」は16.5%に。

6〜7人に1人が海外渡航の際に現金で購入できなかった経験あり

まず、海外渡航をした際に、「現金で購入できなかった経験はありますか?」と聞いたところ、15.8%の人が「ある」と回答し、6〜7人に1人は海外で現金購入ができなかった経験をしていることがわかった。

現金が使えなかった国トップはアメリカ

キャッシュレス化というとアメリカやヨーロッパなど、先進国の一部だけというイメージだが、2・3位には日本の近隣国「中国」「韓国」がランクインした。

経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン」によると、各国のキャッシュレス決済比率は北米・ヨーロッパの各国を抑えて「韓国」「中国」が1・2位を独占しているようで、旅行者は北米・アジア・ヨーロッパ、どこに行ってもキャッシュレス化の壁があるようだ。

現金が使えなかった場所トップはレストラン

日本において「現金が使えない場所」と考えると、大金を取り扱うお店が想像できそうだが、海外では「レストラン」「カフェ」「スーパー」など、少額を扱うお店でも現金が使えないようだ。

また、「空港内」や「公共交通機関」など観光客が必ずと言ってよいほど利用するものも現金が使えないことがあるようで、海外に行く際は現金が使えなかった場合のことも考えておく必要性が高まっている。

約7割の人がキャッシュレスに移行

「ほぼキャッシュレス」が32.8%、「金額、状況で使い分けている」の37.0%と合わせると約7割の人がキャッシュレスに移行できているといえる。

一方で、「今は現金が多めだが、キャッシュレスに移行しようと思っている」が14.0%、「ほぼ現金」も15.8%いた。

キャッシュレス決済方法はダントツで「クレジットカード」

キャッシュレスに移行できている人の中でも大半は「クレジットカード」(95.9%)を利用しており、その後に「電子マネー・プリペイドカード」が続いた。

今続々とサービスがリリースされている「スマホ決済アプリ」を使用していると答えた人は21.3%に留まっており、同社はスマホ決済利用がメジャーになるまでにはもうしばらく時間を要しそうだとの見解を示している。

現金払いがメインの理由1位は「お金を使いすぎてしまいそう」

1位は「お金を使いすぎてしまいそう」(45.2%)、続いて僅差で2位に「システムに対する不安がある」、「現金を使っていて困ったことがない」(42.9%)が入った。

コンビニエンス業界最大手のセブンイレブンが満を持してリリースした「7pay(セブンペイ)」で不正ログインが相次ぎ、3カ月でサービスが終了したのが大きな話題となった。そのようなこともあり「キャッシュレス=不正アクセスの可能性」というイメージが広がってしまったのかもしれないとみている。

また、海外のキャッシュレス化が進んだ一因に偽札が流通し、紙幣に対する信頼が薄かったこともある。その点、日本は偽札が出回ることはめったになく、店側にも消費者側にも現金を扱うことによる大きなデメリットは無いという。

さらに、キャッシュレス化に伴う初期費用や決済手数料が高い日本においては現金が普及した方が店側にとっては好都合だとしている。

また、「登録が面倒」(28.2%)、「サービスが多すぎて選べない」(21.4%)などの理由も挙がっており、消費者のキャッシュレスに対する情報もまだ不足しているのかもしれないと分析している。

半数以上がキャッシュレス化の推進について「賛成」

「賛成」「どちらかと言えば賛成」の意見

  • 小銭を持ち歩かなくてよいし、硬貨や紙幣の発行量を減らすことができると省エネや行政のコストカットにつながるように思う。(40代・男性)
  • キャッシュレスは便利だが、文化として貨幣(紙幣)は残してもよいと思う。コミュニケーションの手段としても。(40代・男性)
  • スーパーなどでお年寄りが小銭の計算に手間取っている、コインを落としたりする様子をみて、現金は超高齢社会にはそぐわないような気がした。すべて電子取引になると、お金の管理が一括にでき、便利。(60代・女性)

「反対」「どちらかと言えば反対」の意見

  • 東京五輪の為だろうが、日本は造幣技術が世界最高水準なので、日本人としては特にキャッシュレス化が必要とは思わない。(60代・男性)
  • セキュリティ面が心配。また、購入品は完全に個人の趣向や生活を特定できてしまうので、そういう情報をスマホ決済アプリに与えたくない。(30代・女性)

「どちらとも言えない」の意見

  • キャッシュレスは便利で安全なら使いたい人は使えばいいけど、登録や利用方法において困難な人もいるから現金決済方法は残す必要がある。(50代・女性)
  • たしかに便利だが、リスクを伴うので。選択も責任のうちと考えて、消費者が選択する余地は必要だと思う。(40代・男性)
  • 現金を持たずに買い物が出来るのは便利だと思うが、今回のセブンペイの件で、日本はまだまだ安全面等の準備が不十分だと実感した。(50代・女性)


※調査概要
調査対象:20代~70代の男女942名
調査期間:2019年8月13日~8月16日
調査方法:インターネット調査
調査主体:エアトリ

<参照元>
「6~7人に1人が海外で現金を使えなかった経験あり! キャッシュレスに移行している人が7割の一方で、 うち「スマホ決済アプリ」使用者は約2割に留まる。」エアトリ