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ジェーシービー(以下、JCB)は、2019年10月の消費増税および、キャッシュレス・消費者還元制度の施行に伴い、現金、クレジットカード、非接触型、QRコードの4つの決済において決済速度に関する実証実験を実施し、その結果を発表した。
主なトピックスは4つ。
- レジでの会計時、キャッシュレスは現金よりも16秒速いことが判明。非接触型は現金より20秒速く、約1/3の時間で支払いが可能
- 現金からキャッシュレスに変えるだけで、自由に使える時間が年間約3時間増加
- 完全にキャッシュレスへ移行で、1店舗あたりの労働時間は一日約4時間減少
- 完全キャッシュレスへの移行で創出される時間は、1人あたり年間約12,000円相当の価値
キャッシュレスは現金よりも16秒速い
図表1. 現金、クレジットカード(サインレス)、非接触型(QUICPay)、QRコードの決済速度の差
被験者100名を、25名ずつ現金、クレジットカード、非接触型(QUICPay)、QRコードの4つの決済方法で組分け、商品購入までにかかる時間にどのくらいの差があるのかを計測。図表1は実際の決済速度であり、非接触型が8秒、クレジットカードが12秒、QRコードが17秒、現金が28秒という結果に。
また、キャッシュレス決済(クレシジットカード、非接触型、QRコード、3つの決済方法)の平均速度を現金の決済速度と比較したところ、現金よりも16秒、非接触型に限ると20秒速く、決済速度に大きな差があることが判明したとしている。
現金からキャッシュレスに移行すると、1年で3時間自由な時間が増える
同実験で明らかとなった現金とキャッシュレスの決済速度の差をもとに、実生活に関連する試算をしたところ、普段の買い物で決済方法を完全にキャッシュレスへ移行すると、自由に使える時間が年間約3時間増加することが判明。
日常生活において、少しずつ現金からキャッシュレスに移行するだけでも、自由に使える時間の増加につながりそうだとの見解を示した。
完全にキャッシュレス移行すると、1店舗の労働時間が一日約4時間減少
前述の現金とキャッシュレスの決済速度の差をもとに、会計(レジ)担当者の労働量について試算したところ、1日の会計(レジ)業務において、消費者の半数がキャッシュレスで支払いをすると、従業員1人あたりの労働時間は約2時間減少。消費者全てがキャッシュレスで支払いをすると、労働時間は約4時間減少することがわかったという。
このことから同社は、キャッシュレスの導入によって、従業員の労働量削減や人員不足の解消にも役立つのではないかと推察した。
完全キャッシュレスへの移行で、1人あたり年間約12,000円相当の労働価値に
最後に、日本経済にどのような影響があるのかについて試算したところ、消費者が現金払いを続けると、日本全体では1日約22億円分、年間で約8000億円分の時間をロスしていることがわかったという。
決済手段を完全にキャッシュレスへ移行することによって、時間が創出され、労働に充てた場合、1人あたり年間約12,000円相当の価値となる可能性があるとのことだ。
※調査概要
実験名:決済速度に関する実証実験
日時:2019/7/22
対象者:20〜40代の男女(GMO リサーチ、ジャパンクラウドパネルより採用)
手段:1現金、2クレジットカード(JCB)、3非接触型(QUICPay)、4QRコード(代表的な QR 決済サービスより4種類を使用)決済手段ごとに25名
※原則、「レジ担当者の金額口頭提示」から「商品・レシートのお渡し」までを一会計として計測
<出典元>
決済速度に関する実証実験結果
JCB