防衛医科大学校（以下 防衛医科大）、KDDI、Synamonは、2019年8月27日に、第5世代移動通信システム「5G」（以下 5G）とVRシステムを活用した災害医療対応支援の実証実験を国内で初めて実施したことを発表した（※1）。あわせて、医療教育現場においてVRシステムを活用した遠隔教育に関する実証実験を行ったという。
※1:5GとVRシステムを活用した災害時における医療支援の実証実験 （2019年8月29日KDDI調べ）。
1.災害医療対応支援に関する実証実験
災害医療対応支援に関する実証実験では、5Gの高速、大容量の特長を活用し、災害現場に高精細の360度カメラを設置。5Gを通じて映像をVR空間上に配信、投影し、VR空間内で医療従事者や消防機関が連携して現場を指揮・支援するシステムを構築した。
今回、360度カメラを活用しVR空間上で現場にいる職員と遠隔地にいる医療従事者などの専門家が双方向にコミュニケーションを行い連携することで、遠隔地からでも現場にいる職員に対して指示を出すことが可能となり、救命活動を円滑に進められることを確認できたという。
2.リアルタイム遠隔医療教育に関する実証実験
今回の取り組みでは、爆傷に対する治療技術を研究している防衛医大において、本研究のための日本で唯一の設備である「ブラストチューブ（※2）」（以下、本設備）に関して、5GとVRを組み合わせ、VR空間上での設備見学やディスカッションなどの双方向コミュニケーションに関する実証実験を実施。
※2:爆傷研究のために、爆風を模擬した衝撃波を発生させる装置。
具体的には、本設備の設置場所に高精細の360度カメラを配置し、その映像を、5Gを通じてVR空間に配信、投影し、VR空間を遠隔地にいる複数の参加者が共有することで、集合が難しい場所でのバーチャル会議や高精細映像による遠隔からの設備視察などの有効性について確認したという。
防衛医大、KDDI、Synamonは、今後も5GやVRなどの最新の技術を活用した医療研究への応用を見据えた検討を進めていくとしている。