楽天インサイトは、「フードロスに関する調査」をインターネットで実施、2019年8月27日にその結果を発表した。

主なトピックは8つ。

  • 賞味期限と消費期限の違いを知っている人は9割弱
  • ほぼすべての食品項目において購入時に気にするポイントは「価格」と回答した人が約5割
  • 野菜・果物などで賞味・消費期限を切らせて捨ててしまう人は3割弱
  • スマホ決済の継続利用、非接触スマホ決済の約半数は1年以上の長期ユーザー、QRコード決済は1週間未満がもっとも多い
  • 製造日や賞味・消費期限を気にしている人は8割弱
  • 食品を残すことに抵抗がある人は9割以上。フードロスを問題視している人は86.0%で9割弱
  • フードロス削減のために「残さず食べる」、「必要な量だけを購入する」との回答が上位
  • 賞味期限が近い食品、値引きがあれば「買いたい」が9割弱、値引きが購入の後押しへ

9割が賞味期限と消費期限の違いを認知

賞味期限と消費期限の違いを知っているかを聞いたところ、「よく知っている」、「ある程度知っている」と回答した人の合計値は9割弱(87.9%)となり、賞味期限と消費期限の違いは広く認知されていることが分かった。

「よく知っている」と回答した人を性年代別でみると、男性20代(43.2%)と30代(43.2%)および女性20代(48.7%)は全体(32.5%)に比べ10ポイント以上多かった。

購入時に気にするポイントは約5割が価格

食品購入時に気にするポイントを食品別に聞いたところ、多くの食品項目において、「価格」を気にすると回答した人が約5割を占める結果となった。

一方、「賞味期限」もしくは「消費期限」を気にすると回答があった食品項目の中では「牛乳・乳製品」(「賞味期限」33.3%、「消費期限」24.8%)がもっとも高く、それ以外の食品項目において「賞味期限」もしくは「消費期限」を気にすると回答した人は3割に満たない結果となった。

3割弱が賞味・消費期限切れで野菜などを捨てる

賞味・消費期限切れで、やむを得ず捨ててしまうことが多い食品については、「野菜・果物」(29.4%)と回答した人がもっとも多く3割弱、次いで「牛乳・乳製品」(21.3%)、「肉・魚」(16.4%)が続いた。

性年代別でみると、女性60代は「期限切れで食品を捨てることはない」(45.6%)と回答した人が全体(35.2%)に比べて10ポイント以上多かった。

一方、女性20代と30代は「期限切れで食品を捨てることはない」(それぞれ21.1%、25.0%)と回答した人が全体に比べ10ポイント以上少なかった。

8割弱が製造日や賞味・消費期限を気にしている

コンビニやスーパーで買い物をする際、製造日や賞味・消費期限を「気にしている(「毎回気にしている」、「ほぼ毎回気にしている」の合計値)」(76.8%)と回答した人は8割弱にのぼり、「気にしていない(「あまり気にしていない」、「まったく気にしていない」の合計値)」(23.2%)を大きく上回った。

性年代別でみると、女性40代、50代、60代は「気にしている」と回答した人が9割近くと高く、一方で男性20代、30代、40代は、6~7割にとどまった。

未既婚別でみると、既婚者は「毎回気にしている」(それぞれ子供なし:48.0%、子供あり:41.2%)と回答した人が独身者(31.0%)を上回る結果となった。

気にしている理由を聞いたところ、過半数の人が「鮮度が良く安心だと思うから」(59.9%)、「期限までに消費できるか不安だから」(52.1%)と回答した。

一方、気にしていない理由は、「賞味・消費期限までに消費できそうだから」(61.2%)と回答した人がもっとも多かった。

9割弱がフードロスを問題視

食品を残すことについて抵抗があるかを聞いたところ、全体では「抵抗がある(「とても抵抗がある」、「少し抵抗がある」の合計値)」(93.2%)と回答した人が9割を超える結果となった。

フードロスをどう思うかを聞いたところ、全体では「問題視している(「問題視している」、「少し問題視している」の合計値)」(86.0%)と回答した人が9割弱にのぼり、「問題視していない(「まったく問題視していない」、「あまり問題視していない」の合計値)」(3.5%)を大幅に上回る結果となった。

フードロス削減のために「残さず食べる」

フードロス削減のために現在行っていることを聞いたところ、「残さず食べる」(81.3%)、「必要な量だけを購入する」(70.8%)、「賞味期限が切れたものでも、問題がなければ食べる」(65.8%)が上位3位となった。

フードロス削減のために今後行いたいことについても、同様に「必要な量だけを購入する」(49.1%)、「残さず食べる」(45.6%)、「賞味期限が切れたものでも、問題がなければ食べる」(31.7%)が上位を占めていた。

9割弱が賞味期限が近く値引きがあれば「買いたい」

コンビニを中心に始まっているフードロス削減の取り組みについて、値引きがあるならば、賞味期限が近い食品を買いたいと思うかを聞いたところ、全体では「買いたい(「とても買いたいと思う」、「わりと買いたいと思う」の合計値)」(87.2%)と回答した人が9割弱にのぼった。

性年代別でみると、女性20代と30代は、「とても買いたいと思う」(それぞれ51.3%、51.1%)と回答した人が全体に比べ多く、値引きが、賞味期限が近い食品の購入への後押しとなりそうだ。

「買いたい」と回答した人(872名)に理由を聞いたところ、「お得だから」(76.6%)と回答した人がもっとも多く、「品質や安全には問題ないから」(65.4%)、「フードロス削減につながるから」(43.7%)が続いた。

一方、「買いたくない」と回答した人(128名)に理由を聞いたところ、「品質や安全に不安があるから」(32.8%)、「お得だと感じないから」(30.5%)が上位にあがった。


※調査概要
調査エリア    : 全国
調査対象者    : 20歳~69歳 男女
回収サンプルサイズ: 1,000サンプル
調査期間     : 2019年7月17日と7月18日

<参照元>
「楽天インサイト、「フードロスに関する調査」結果を発表」
楽天インサイト