東京大学とソフトバンクと三菱UFJ信託銀行は、人生100年時代を迎え、個人が自分の健康年齢を微量な血液検査により把握し、それを行動変容につなげる「ヘルシー・エイジング・システム」を構築するための産学共同研究を、2019年8月から開始したことを発表した。
今回の産学共同研究では長寿で健康的な人を対象として微量な血液の分析から健診データのみでは得られない情報を得て、実年齢とは別の健康度を示す指標の確立を目指し、新たな指標の確立に加え、得られた個人のデータと生活データ、睡眠データ等を連携し、生活習慣病予防のために一人一人に寄り添うサービスを実現する、AIを活用したソリューションの研究開発にも取り組むとしている。
研究の主体は、東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)自分で守る健康社会拠点(※1)に参画している東京大学大学院工学系研究科個別化保健医療寄付講座の岸 暁子特任助教を中心に行い、ソフトバンクはビッグデータ解析やAI開発の支援を実施するとのことだ。
研究期間は3年間を予定しており、ソフトバンクは、本研究により得られる成果を東京大学からライセンスを受ける予定の健康維持・向上の行動変容促進アプリへの活用を行い、三菱UFJ信託銀行は、超高齢社会において多様化する個々人のニーズに応えるため、この産学共同研究の成果を踏まえた新たな人生設計の提案や新商品・新サービスの開発を目指す予定だという。
東京大学、ソフトバンク、三菱UFJ信託銀行は、少子高齢化に伴い発生する日本の社会的課題の解決に資する取り組みを共同で行うことで、国民の豊かな生活の実現に貢献していく方針だ。
※1 東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)自分で守る健康社会拠点について
東京大学センター・オブ・イノベーションは、文部科学省および国立研究開発法人科学技術振興機構が主導する産学連携プログラムで、「自分の健康は自分で守る、高齢者も社会を支える、新健康医療産業創出により国民総所得を増大する」という「自分で守る健康社会」実現のために、自治体・企業と連携して「健康維持の自分ごと化」を推進する社会を目指している。