芝浦工業大学工学部情報工学科の菅谷みどり教授は､生体信号(脳波、心拍)の簡易計測値により、人の感情を推定する手法を考案。同手法では、覚醒・眠気と快・不快の2軸上に感情分類を行なう心理モデルにもとづき、脳波、脈拍・心拍などの生体計測により感情を推定するという。

生体計測値を用いることで、リアルタイムに人の感情を推定することが可能となるとのことだ。

同大学は、気持ちに応じた声がけを行なう声がけロボットやパーソナルスペースを考慮したロボット、介護支援ロボットへの応用を目指すとしている。この他にも、ストレス軽減のための機器・製品開発など、幅広い応用が期待できるとのことだ。

「人の心によりそうロボット」概要

  1. 脳波と心拍をセンサーで計測した値を用いた、感情推定の手法を考案

    2. 心理学モデルをもとに脳波、心拍(自律神経計測)などの計測可能な生体信号のセンサー値を対応させ、感情のもとになる短期的な状態変化である情動をリアルタイムに推定する方法を考案。

  2. 人のリアルタイムな感情反応に応じた制御へ応用可能

    3. 人の気持ちをリアルタイムで推定し、それに応じた適切なフレーズを選択し、声がけを行なう。
    人とロボットのパーソナルスペース評価し、人とロボットが「ちょうどいい距離感」を保つことが可能に。

同大学は、今後は企業との共同研究など、産学連携による機器・製品への応用を通じて同手法の確度を高めていくという。

また、感性評価に広く利用するほか、刺激に対する感情の抑制や安定化を通じて、ストレスオフ、メンタルコントロールなどへ、幅広い感性技術の新しい応用を考え、新しい時代にふさわしい技術の研究開発を目指すとしている。