マザアスは、運営を担う介護付き有料老人ホーム「マザアス南柏」において、トヨタ自動車未来創生センターが研究している認識技術など、パートナーロボットで培ったロボティクスを活用したケアサポートシステムの実証実験(※1)を開始することを発表した。

厚生労働省によると、介護人材数は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年度末には約34万人不足(※2)すると推計されており、介護業界では人材不足が深刻な課題だという。

これらの課題に対し、マザアスは今回の実証実験において、トヨタ自動車が研究を進める認識技術を活用して介護スタッフが必要な時に居室内の入居者の様子を遠隔より把握できるとともに、スマートフォンアプリ上で全スタッフの位置情報が可視化できることで、ナースコールに対する、近場の介護スタッフによる居室内の状況を踏まえたサービス提供について検証する。

また、介護スタッフの移動履歴などにより介護日誌作成を半自動化するなど、事務作業削減の検証なども行う。

このようなICTの活用によって、業務負荷の大きい居室間の移動や記録入力時間の低減が図れるとともに、情報共有の迅速化、遠隔からの入居者の状況把握により、夜間巡視など訪室の業務効率化を目指すとしている。

同社はまた、今回の実証実験の結果についても、介護スタッフが介護に集中できる環境の構築に活かし、介護品質を維持しながらスタッフ自身の身体的及び精神的な負担軽減を実現するとともに、入居者のQOL向上にもつなげる考えを示している。

※1 実証実験は 2019 年 8 月~2020 年 5 月まで行う予定
※2 厚生労働省「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」(2018 年度)より