半数がテクノロジーの発展による5年以内の失業を心配「保障に関する認識調査」

2019年8月20日、チューリッヒ生命が、チューリッヒグループとオックスフォード大学(SSEE) が実施した「保障に関する認識調査」の日本における結果をまとめ、発表した。

日本では、老後資金への不安から、高齢になっても働き続けることが必要となってきているという。本調査はこうした点を背景に、あらゆる世代の働く価値観や人生にまつわる保障についての意識や行動を把握するために実施している。

調査結果の主なトピックスは次のとおり。

今抱えている金銭面での最大の不安

調査ではまず「今抱えている金銭面での最大の不安」をたずねている。その結果、年代を問わず「定年退職後の資金」を心配する意見がもっとも多かった。

社会人として働きはじめの20代においても、「定年退職後の資金への不安」が、「毎月の支払への不安」を大きく上回っている。

若年世代のうちから、老後資金への不安を抱えながら生活していることがわかるという。

2018年の収入は貯蓄したか

「2018年の収入は貯蓄しましたか?」と質問したところ、20代の75%が2018年の収入を貯蓄したと回答した。

若年世代のうちから貯蓄に対する意識が高い、という傾向がみられる。同社では、「背景には老後資金への不安が一定程度ある」とみている。

現在従事している仕事はいくつか

「現在従事している仕事は1つのみですか?または複数ですか?」という問いに対しては、 全体の82%が「1つのみ」と回答した。

その一方で、18%(およそ5人に1人)は複数の仕事を通じて収入を得ている。これについては、「働き方が多様化していることが確認された」としている。

今後1年以内に、自分の意思で退職する可能性

調査では、「今後1年以内に、自分の意思で退職する可能性はありますか?」という質問をおこなった。その結果、すべての年齢層において、可能性が高いと回答した比率が30%を超えた。

「終身雇用」の意識が低下していることがわかるという。

同社では、「とくに20代および30代ではその傾向がさらに強く、一つの会社で長期就労することを前提とした現行の福利厚生制度について見直しの議論に拍車がかかると思われる」と予測している。

今後1年間以内にフリーランスになる可能性

「1年以内にフリーランスになる可能性がある」と回答した人は、約20%(およそ5人に1人)。自由業・自営業や転職に対する積極的な姿勢が伺えるという。

フリーランスとしての働き方が広がってきている状況については、「今後、就労実態に即した社会保障および公的制度への見直しや、保険等金融商品の活用が必要になると考えられる」との見方をしめしている。

自動化により仕事を失う不安

調査では、「ご自身の仕事が、今後5年の間に機械やコンピュータプログラムによって置き換えられ仕事を失うことに対して不安や心配はどの程度ありますか?」という質問をおこなった。

単語の定義は以下のとおり。

スキル向上のための職業訓練を受ける可能性

「今後1年間の間に、自身のスキル向上のための職業訓練を受ける可能性はありますか?」という問いに対しては、全体の約半数が、テクノロジーの発展により、今後5年以内の失業を心配しているという結果となった。

2019年のOECD調査によると、日本の仕事の約半数は、自動化による影響を受ける恐れがあるとされている。

これに対して政府は成人教育の継続と、IT関連の訓練を促す試みで対応している。しかし本調査では、1年以内の受講希望率は30%前後に留まっているという。

同社では、「今後、求められるスキルと現実にギャップが生まれ、大きな社会問題になる可能性がある」との見方をしめしている。


※調査概要
調査タイトル:保障に関する認識 新たなニーズに対する柔軟な解決策のための労働者調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査時期:2019年2~3月
調査対象:20~70歳の男女有職者、1,116人
実施者:チューリッヒ・インシュアランス・グループ、オックスフォード大学 Smith School of Enterprise and the Environment (SSEE)

<出典元>
チューリッヒ生命、「保障に関する認識」調査を実施
チューリッヒ生命

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