成長を続ける水産養殖にテクノロジーを用いることで、将来人類が直面する食料問題と環境問題の解決に取り組むUMITRON PTE. LTD.(以下ウミトロン)が、海上自律型の魚群食欲解析システム「UMITRON FAI (Fish Appetite Index)」を開発したことを発表した。

UMITRON FAI 概要

同システムは機械学習によって、魚の餌食いをリアルタイムで自動評価する世界初のアルゴリズム。

ウミトロンが開発済みのスマート給餌機「UMITRON CELL」と連携することで、電源や通信が限られた海上で、

  • 魚の遊泳データの自動蓄積
  • リアルタイムでの摂餌状況のスコア化
  • スコアに応じた給餌制御

を可能とする洋上自律型のサービスだ。

同システムを利用すると、UMITRON CELLで撮影した給餌中の動画から、魚の摂餌中の状態を自動的にスコア化することで、現場担当者が後からスコアの良し悪しを元に給餌状況の振り返りをすることが可能となり、魚の摂餌状況(時系列データ)や、複数の生簀同士での餌食い状況(生簀間データ)を俯瞰して観察することで、より客観的な目線で給餌戦略を立てることができるという。

さらに「UMITRON FAI」を活用して考案した給餌改善計画をスマートフォンを使ってすぐにUMITRON CELLでの給餌スケジュールに反映させることも可能。

給餌調整のための洋上作業時間がなくなると同時に、短期間で給餌変更のトライアンドエラーができるという。

また、現場の給餌担当者以外の社員も含めてこれらの摂餌情報を共有することで、給餌を止めるべき判断基準(スコア)を全員でシェアし、今後の給餌計画(量やタイミング)を改善することが可能。

なお、UMITRON FAIが生産者の代わりに魚の餌食を観察、評価するため、餌食が落ちるタイミングなど、より重要な場面のみ直接観察をするなどの生育方法も可能となるという。

同社はすでにUMITRON CELLを活用中の既存顧客に「UMITRON FAI」の提供を開始しており、今後も、こうした付加価値サービスの開発を継続し、既存顧客に提供していくという。