『アジアの小売業者TOP100』を発表。日本勢は3位にセブン&アイHD

ユーロモニターインターナショナルは、『アジアの小売業者TOP100』と題した最新調査レポートを発表した。

同レポートでは、いかにアジア太平洋地域の小売業界が変遷してきているのか、またどういった要素が業界の変化を生み出しているのかを解説しているとのことだ。

アジア太平洋地域における小売業者TOP5(2018年)は以下になる。

  1. 阿里巴巴集団(Alibaba Group Holding Ltd)
  2. 京東商城(JD.com)
  3. セブン&アイ・ホールディングス(Seven & I Holdings Co Ltd)
  4. イオングループ(AEON Group)
  5. アマゾン・ドット・コム(Amazon.com Inc)

主なトピックスは2つ。

成長要因の一つにマーケットプレイスモデルの台頭

同社によると、アジアのデジタルコマース市場の主な成長要因の一つがマーケットプレイスモデルの台頭であるとのことだ。2018年、デジタルコマース(B2Cに限定)の総売上の 47%がマーケットプレイスモデルによるもので、2009年の27%から大幅に伸びていることが明らかになったという。

同社は阿里巴巴集団(Alibaba)や京東商城(JD.com)、楽天(Rakuten)といった大手マーケットプレイスが、幅広い品揃えの提供に加え、決済に安全性を、そして配送に信頼性をもたらしたことが成長に寄与したとも述べる。

高齢化、都市化、単身世帯数の増加などが消費者の購買行動に影響大

アジアは2018年、世界のデジタルコマース市場の41%を占めているという。同社によると、消費者がより裕福になってきていることに加え、高齢化、都市化、そして単身世帯数の増加が、同地域の消費者の購買行動に大きな影響を与えたとのことだ。

ユーロモニターインターナショナルのリサーチマネージャー、イヴァン・ウズノフ(Ivan Uzunov )は、以下のように述べている。

「アジア太平洋地域では、都市化が進んだことで、一度の買い物で大量に買い込む『まとめ買い』よりも、必要に応じて必要な量をその都度買う『補充買い』が消費者に好まれるようになり、Eコマースが直販やホームショッピング(TVショッピングやカタログ通販)といった伝統的な非店舗型チャネルを凌駕しています。

アジアの新興市場では依然として伝統的な小売業が強い存在感を保っている一方、消費者はフォーコート小売店(ガソリンスタンドに併設した店舗)やコンビニエンスストアなど、より近代的な業態の店舗へと流れています。

しかし、食料品以外の消費財をオンラインで購入することに対して消費者の抵抗感が弱まったことにより、同地域では消費者の実店舗離れが進んでいます。」

同社は、2023年までにアジア太平洋地域におけるEコマース市場が2018年から約2倍の1兆6000億米ドルに達すると予測。2018年から2023年にかけて、インドネシア、マレーシア、インドを筆頭にアジアの世帯可処分所得が上昇すると見込まれ、大手小売業者は事業拡張計画において、この広域なアジア市場に重点を置き続けるとの見解を示した。

<出典元>
「2019年 アジアの小売業者TOP100」
Euromonitor

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