博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所は、「第4回メディアイノベーション調査」を実施した。
調査では、東京、L.A.、上海、バンコクの4カ国4都市で、次世代のメディア環境に関連すると考えられる「生活を変える81の新しいサービス」について調査・比較を行った。
主なトピックスは2つ。
- イノベーション受容度の高い「未来生活イノベーター」を各国で抽出し、彼らが関心を寄せる「生活を変える81の新しいサービス」について調査。
- 未来生活イノベーターが関心を寄せる生活領域を比較したところ、日本が「家」、米国では「移動」、中国は「健康」、タイは「食」と各国での違いが顕著に現れた。
「未来生活イノベーター」とは
調査では新しいサービスに対する受容の高い層を「未来生活イノベーター」と名付けた。
以下の全16の意識項目中12項目以上について「とてもそう思う」と回答した人を対象とする。
- 科学技術は、人間の生活や社会にとって重要なものだと思う
- 常に新しいテクノロジーを使った商品やサービスを取り入れたいと思っている
- 新しいテクノロジーを使った商品やサービスに関して、新しい情報を普段から気にしている
- ロボット、AIなどの先端技術を活用すれば、社会が良くなっていくと思う
- ロボットと共存すること(家の中や生活、暮らしの中に入ってくること)に抵抗はない
- ロボットが公共空間で活躍することに抵抗はない
- 人型ロボットに抵抗はない
- 生活の中で面倒なことは機械や家電に任せたい
- 特定のモノや家全体に声をかけるだけで家電を操作できると便利だと思う
- 世の中のキャッシュレス化が進むことに抵抗はない
- 駅の改札、店舗の入り口、空港のゲートなどの通行に生体(指紋や顔)認証が導入されることは便利
- 買い物履歴など自分の個人情報を企業に提供することに抵抗はない
- 血圧、心拍数、運動量、カロリー摂取量など、自分の生体情報を企業に提供することに抵抗はない
- 血圧、心拍数、運動量、カロリー摂取量など、自分の生体情報を病院に提供することに抵抗はない
- 遠隔手術を受けることに抵抗はない
- 車、自転車を持たず、必要な時だけ借りて利用する生活をしたい
さらに調査では、「生活を変える81の新しいサービス」に対する各国全体の興味度と未来生活イノベーターの興味度の差分から出したランキングトップ20のうち、各国の興味度の高い生活領域を網掛けしてみることで、それぞれの国で特徴的な生活領域が見えてきたという。
日本は「家」、米国は「移動」、中国は「健康」、タイは「食」の生活分野が顕著
未来生活イノベーターが特に関心を寄せた生活領域を分析すると、日本は「家」、米国は「移動」、中国は「健康」、タイは「食」に対して強く関心を示していることが判明した。
未来生活イノベーターが関心を寄せる生活分野は、次に「生活のあり方が変わっていきそうな領域の起点」を示唆しており、彼らの関心から次世代の生活のあり方が見えてくるという意味で、本調査は示唆的な結果となったとしている。
*調査概要
調査エリア:日本(東京)、米国(L.A.)、中国(上海)、タイ(バンコク)
調査方法:インターネット調査
調査対象者:15~59歳の男女(SEC C以上を対象)
サンプル数:各都市:900サンプル
調査期間:2019年4月16日(火)~5月7日(火)
<参照元>
『第4回メディアイノベーション調査2019 ファインディングス』
博報堂DYメディアパートナーズ