ビジネスでもモテるには。黒ギャル銀行員に聞くモテと仕事の共通点

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日本のフリーランスの人口は昨年の2018年には1,119万人にも上り、今も増加の一途を辿っている。また今は会社に所属していても一つの仕事だけではなく、複数の仕事を掛け持つパラレルワーカーである人も珍しくない。

このような働き方の多様化に伴って求められるのは、所属する会社やコミュニティなどの枠組みを超えて人と繋がる力だ。新たに人との縁が繋がることで思いもしない仲間と出会い、1人ではできないプロジェクトを立ち上げることができる。

しかし能力が高く優秀でありさえすれば容易に人と繋がれるわけではない。では新しく信頼を基盤にした繋がりをつくるのに必要なのは、一体どのようなスキルだろうか?

今回話を聞いたのは銀行員として働きながら、個人でモテコンサル事業を行なっている黒ギャル銀行員氏だ。繋がりたい人と繋がるために、異性から愛される方法を相談者にアドバイスする、恋愛コンサルタントの彼女から聞き出した。

モテる人と仕事ができる人の共通点は”先に与えられる”かがカギ

現在、彼女が提供しているモテコンサルというサービスは、具体的にどんなものなのだろうか。はじめに黒ギャル氏の詳しい活動内容について聞いた。

「今、行なっている恋愛コンサルではダイレクトメールで依頼をくれた男性から恋愛に関する悩みを聞き、その人の問題に合わせてソリューションを提供しています。

同じ恋愛コンサルタントという仕事でも、ナンパの仕方やマッチングアプリの攻略法を提供している人は多くいます。しかしその人がどんな悩みを持っていて、何ができていなくて上手くいかないのかなど、その人個人に合わせた課題解決ができる恋愛コンサルタントは少ないと思っていました。

モテない人は自分の何がダメなのか、基本的に分かっていません。そのため一人一人の問題に合わせて適切なアドバイスをする、恋愛コンサルタントビジネスには需要があると思い、去年の7月から始めました。メールも含めるとこれまで200人ほど相談に乗っています」

また相談者にアドバイスするにあたり、恋愛に関する様々な情報を調べるようにしていると彼女はいう。

「私自身の経験だけでアドバイスをするのは良くないので、恋愛に関する論文を探したり、Twitterの意見を見たり、様々なデータを見るようにしています。多くの女性が重視している点を調べ、自分だけの視点にならないように注意しています」

このように様々な情報の根拠を持って多くの恋愛コンサルタントを行う彼女に、モテる人はビジネス上での人との繋がりも上手につくることができるのか、またモテる人の特徴、そしてモテと仕事で共通する点について意見を聞いた。

「まず、モテる男性は女性の”コスト”を削減してくれます。例えばコミュニケーションが下手な人の場合、会話の際にうまく話せなかったりして相手にコミュニケーションコストをかけてしまいがちです。しかし上手な人の場合、自分から空気を和ませたり、盛り上げてくれたりして、女性のコミュニケーションコストを低くすることができるので、それが「居心地の良さ」に繋がってモテるんです。

外見もそうです。会った時にこの人怪しい人なんじゃないか、と感じる服装を男性がしていたら女性を不安にさせるし、パリッとちゃんとした格好をしていたら安心します。要らない不安を減らすのもコスト削減に繋がり、相手にマイナスな印象を残さないで済みます。

また店を探したりメニューを決めたりするなど、女性の負担となることを引き受けてくれる男性はモテます。逆に優柔不断で決断ができない人は、意識していなくても相手にコストを押し付けている。

なぜなら決断ができないのは責任を取りたくないとか、嫌われたくないとか、相手ではなく自分のことを心配しているからです。自分可愛さがあるとやっぱりモテないというか、相手にとって魅力的ではないですよね。」

さらに黒ギャル氏は異性に好かれやすい人と、仕事で成果を上げられる人の共通点について言及した。

「ビジネスも同じです。先に自分の持っているものを差し出して、相手の負担を減らせる人が成果を出せると思います。もちろん与えてばかりではなく、回収するべき所や自分の望みはちゃんと伝えるべきですが、先に自分ではいどうぞって出せる、きっぷの良さが大切です。

基本的にケチってモテないじゃないですか。ケチというのは経済的な面の話だけではなくて、気持ちの面のことでもあって、ビジネスでもケチな人は好かれません

また恋愛でもビジネスでも相手が何を求めているのか、事前の下調べが大切だという。

相手から何が求められているのかを把握して、そこに嵌るものを自分が差し出せるようにきちんと下調べをすることは大事です。

例えばマッチングアプリでも事前にプロフィールをしっかりチェックして、会った時に書いてあったことに関した話題を振れば話が盛り上がるし、繋がりを深くすることができます。

初めての人に会う時も、事前にその人のSNS等を見て話の素材探しをして、また共通点も見つけておいて話題に出せば親近感を感じてもらえます」

繋がり作りに必要なのは”バリューを伝える力”

仲間をつくるため、仕事の糸口を掴むために新しい人との出会いを求めるビジネスパーソンは多い。しかし人が集まるイベントやパーティに行き闇雲に名刺交換をしても、本当に自分が求める繋がりを手に入れることは難しい。

人と繋がるために必要なスキルとは何か。ビジネスでの出会いを広げるヒントを尋ねた。

重要なのは自分にバリューがあるかどうかです。はじめに自分にどれだけ価値があるのか、またその価値に売りどころがあるのか把握し、さらに相手が何を求めているのかを理解した上で自分をアピールする必要があります。それらを行ってはじめて出会った相手が自分を良いなと思ってくれるから、マッチングが成立するのです。

出会った相手が自分にバリューを感じることで仕事に繋がったりとか、誰かを紹介してくれたりする機会に恵まれます。多くの人と出会うチャンスがあってもやっぱり自分に価値がないと始まらなくて、バリューがあって初めて関係を繋げられると思います」

相手に繋がりたいと思わせるための価値がなければ出会いの機会を増やしても意味がない。しかしそもそも自分のバリューを客観的に把握できる人は、どれだけいるのだろうか?

自分に売りどころのあるバリューがあるのか確かめるには、仮説を立てて実践し、反響を見ることをおすすめします。自分のスキルのこういうものが必要とされているのではないかと仮説を立て、SNSやブログ、スキルシェアのプラットフォームなどで需要があるか試してみるんです。

恋愛もビジネスもそうですが、自分に価値があるかどうかは相手が決めるので、自分1人で考えても分かりません。誰かと繋がりたい、仲良くなりたいと思って人に紹介を頼んでも、自分に何も売りがなく、また紹介者が自分にバリューがあると思っていなければ繋いでもらえません。試行錯誤して自分の出せる価値を探っていくしかないと思います」

またバリューの希少性を高めるため、自分の持つ複数のスキルや要素を掛け合わせて活用する方法について彼女は語った。

「銀行では色々な要素を持ってきて仮説を立てたり、総合して結論を出したりする力が必要とされます。ニュースやある事象や数字など様々な要素を組み合わせて、一つの解を出すんです。

それと同じように“時代背景”と“モテ”を掛け合わせて考えて、この時代でのモテはこうです、という意見を書いた時、すごい反響があったんですね。その時はそこまで確信をもって”時代背景”と”モテ”という組み合わせに反響があると思っていませんでした。

しかし、このように自分の専門の要素と他の要素を掛け合わせたり、スライドさせたりして潜在的なニーズを発掘し、それを満たすことで、オリジナリティや持ち味を出せるようになり、それが自分独自の価値に繋がります。」

さらにバリューのある優秀なビジネスパーソンであっても、自分の魅力を伝えるスキルがなければ相手に興味を持ってもらうことは難しいと、彼女はつづけた。

「バリューがあるだけでは繋がりをつくるのは難しくて、バリューを伝えるアピール力も必要です。バリューと伝える力、どちらも必要で、自分のバリューを発信して相手に見つけてもらう機会を増やすことも今はとても重要です」

目的を決めることで発信は続けられる。SNSを活用して人と繋がる注意点

新たな繋がりを求める時、パーティやイベントなどのオフラインでの出会いだけではなく、SNSやマッチングアプリを活用して、はじめにオンラインから繋がるルートも今は一般的になりつつある。

彼女の恋愛コンサルタント依頼も主にTwitterのダイレクトメールに届き、Twitterを介して繋がった人もいるそうだ。ではSNSはどのように活用すれば、自分の望む繋がりを得られるのだろうか。SNS発信での注意点を聞いた。

「まず発信するなら何を目的にして発信するのか決めておくことが大切です。何がしたいから〇〇について発信する、という目的意識がないまま発信してもなかなか続かないし、人と繋がることもできません。またコンテンツが十分あることは前提で、そのコンテンツを活かせるプラットフォームや、売り出したいものとの親和性が高い、自分にとって適切な場所でアピールすることが大切です。

加えて、誰とでも簡単に繋がれる今の時代、自分の人間関係は周りから信頼してもらう上での指標にもなります。今は人間関係を可視化しやすいので、あの人と繋がっているからこの人は信頼できるとか、どの界隈に属しているから怪しい、といった評価をされたりします。

昔から『類は友を呼ぶ』と言いますが、例えば詐欺師と親しそうだったらなんとなくその人も同類なのでは、と考えてしまいますよね。そのため繋がる人も選ぶ必要があって、自分が繋がりたい人達からの信頼を得るために、全ての人と関わるのではなく、しっかりと選ぶようにしています」

新しい人との繋がりを得る上で必要なのは、相手に繋がりたいと思わせるバリューと、それをアピールする力だ。魅力があっても周りに伝えなければ繋がる機会は訪れないし、自分の価値を育まずに発信やアピールばかりをしていても、誰からも声はかからない。

そしてバリューは自分の頭で考えるだけではなく、相手のニーズを知って見つけ出すものである。仮説を立てて検証を繰り返し、失敗を積み重ねていくことで最も自分がマッチングしやすいポイント、長所を生かせる場所が見つかるのだ。

モテから紐解いた人と繋がる技術を、ぜひとも実践してみてほしい。

取材・文:片倉夏実
写真:西村克也

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