アジア4カ国(泰・越・尼・印 )の3年後・10年後を推測。「Asia Insight Research」

インテージホールディングスは、タイ・ベトナム・インドネシア・インドのアジア4カ国において自主企画調査「Asia Insight Research(アジア・インサイト・リサーチ)」を実施。その結果を発表した。

Asia Insight Researchでは、交通・家電・ITサービスといった業界における各国の有識者へインタビューした内容にもとづき、3年後・10年後の市場・生活者の変化を独自の分析で予測している。今回の主なトピックは以下の5つ。

4カ国に共通する変化の鍵は「飽くなきベターの追求」「ストレスフリーの追求」「時の重視」

この調査ではアジアの中でも成長が目立つタイ・ベトナム・インドネシア・インドというアジア4カ国に注目し、各国の市場・生活者ニーズの変化を正確に把握するため、「購入重視点」より抽出した「エコ意識」「安心感」「快適性」を分析の指標としたとのこと。

そのうえで有識者へのインタビューの内容をもとに分析した結果、アジア4カ国に共通するのは「良好な景況感」「デジタル化」「生活の量と質の向上」「グローバル化」だったということだ。

「デジタル化」でサービスが進化することで、ソーシャルメディアなどを通じ、さまざまな情報を取得できる。発信が可能なことのメリットが生まれる。そうして同社ではこれらによって「グローバル化」につながるという。

結果、外国製を含む良質で安価な製品が市場へ流通。「生活の量と質の向上」がすすみ、「良好な景況感」につながっているという動きがみられると話している。

同社によれば、これらの動きより4カ国に共通する変化の鍵として「飽くなきベターの追求」「ストレスフリーの追求」、「時の重視(『時は金以上なり』の意識)」があげられるということだ。

高齢化社会がすすむタイ。介護・医療のニーズの上昇とともに「エコ意識」「健康意識」が高まると予測

タイでは晩婚化・少子化がすすみ、消費の中心が「個」や「子」に向けられており、この傾向は3年後もかわらないとみられるという。高齢化社会の進行とあわせ、介護・医療に関連するニーズが高まり、多数をしめる共働き世帯のニーズによって、EC・デリバリーサービスが介護・医療のサポートも担うと推測している。

10年後は人口が減少に転じると想定されるものの、国力の衰退には至らず、東南アジアにおける商品・サービスの開発ハブの役割は担い続けるだろうと推測。健康寿命を延ばすサービスや商品の需要が高まり、生活者の「エコ意識」「健康意識」が上昇すると考えられると話している。

経済成長が続くベトナム。生活水準が高まり「エコ意識」も上昇すると予測

経済成長が続いているベトナムでは、国民所得の増加とともに生活水準が向上しているという。一方で3年後には経済格差がさらに拡大。市場が「弱肉強食」の時代へと突入するなか、生活者の多様なニーズを満たすため「一人の時間・体験」を重要視するようになると考えられるという。

不透明ながら海外投資・インフラ設備充実などによって、経済成長は10年後も継続すると推測。生活水準向上やデジタル化によって生活者の「ゆとり」が生まれ、「エコ意識」も上昇すると予測している。

市場競争が激化するインドネシア。生活者が「個人志向」に変化し、「時短や便利」を求めるようになると推測

デジタル化がすすむインドネシアでは、スマートフォンが生活の中心となっているという。買い物・移動などの関連サービスの競争は激化しており、この傾向は3年後も進むと予測している。さらに都市部を中心として生活者が「個人志向」に変化し、「時短」「便利」を求めるようになるとみている。

その反面、人口増加・経済成長がすすむなかで、10年後の市場動向は不透明という。しかしながら生活者の「エコ意識」「エシカル(倫理的)意識」は上昇し、環境・社会貢献が重視されると考えられると話している。

安定的に成長を続けるインド。生活者の「健康意識」「安全意識」が高まると推測

インドではスマートフォン関連のサービスが生活者に広く利用されており、この傾向が今後も加速度的にすすむとみている。その結果として、同社ではさまざまなサービス領域において「リープフロッグ現象」が起こると推測。政治状況が安定するなか、3年後も市場は成長を継続。生活水準向上にともなった生活者のニーズが多様化するとみている。

一方10年後には莫大な人口を支えるための生活インフラの課題、社会問題を、ビジネスにより効率的に解決する動きが広がると同社は推測。くわえて生活者の健康志向がすすむなかで、「健康意識」「安全意識」が向上すると考えられるという。


【調査概要】
調査方法:有識者インタビュー
調査対象国:タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン)、インドネシア(ジャカルタ)、インド(デリー)
調査対象者:マネジャー級以上の各業界勤務者、または有識者
インタビュー数:一カ国当たり6人
調査期間:2019年1~3月
調査内容:現在、3年後、10年後の市場・生活者に関して
調査実施機関:インテージ・タイ、インテージ・ベトナム、インテージ・インドネシア、インテージ・インド

<出典元>
成長著しいアジア4カ国の3年後、10年後を予測! 変化のカギは 「ベターの追及」「ストレスフリー」「時の重視」
インテージホールディングス

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