東急不動産とソフトバンクは2019年7月9日、東急不動産がエリアマネジメント活動を行う竹芝地区(東京都港区)において、都市再生への貢献や産業振興の加速などに向けて、共同で街づくりに取り組むことで合意したと発表した。
これに基づき、両社は、最先端のテクノロジーを街全体で活用するスマートシティの共創を目指して、竹芝地区でデータ活用やスマートビルの構築に取り組むほか、ロボティクスやモビリティ、AR、VR、5G、ドローンなどの幅広い領域でテクノロジーの検証を行う。
また、最先端のテクノロジーを検証したい企業や団体の募集も行う予定で、さまざまな事業者が竹芝地区にテクノロジーを持ち寄り、地区の発展や課題解決を実現するスマートシティのモデルケースの構築に取り組む方針だ。
具体的な取り組みの概要
- 環境の変化や歩行者の滞留などの「イベント」に応じて最適な行動を促すアプリケーションプラットフォームを竹芝地区に導入
温度や CO2(二酸化炭素)濃度などの環境の変化や、歩行者の滞留、設備の不具合、公共交通機関の遅延など、エリア内で発生するさまざまな「イベント」をデータとしてリアルタイムに収集し、時間帯や個人の位置情報、行動の制約やその他の予測などと関連付けて分析することで、竹芝地区に滞在する人の的確な判断や最適な行動を支援するアプリケーションを提供できるプラットフォームを竹芝地区に導入する。
<活用事例>
- ビル内での映像解析やセンシングにより不審者や異常な行動、設備の不具合などが検知された場合、屋内位置情報システムにより発生場所から最も近くにいるスタッフのスマホに自動で状況を通知して対応を促し、迅速な警備を実現。また、指名されたスタッフがスマホで対応依頼を受諾すると、その情報が他のスタッフに自動で通知されるため、スタッフ間で効率的に情報を共有することが可能になる。
- 飲食店の混雑状況を可視化し、利用者が空席状況を確認してから来店することを可能にする。また、公共交通機関の遅延を検知した場合、最適な交通の代替手段や周辺の飲食店などの空き状況をスマホアプリやサイネージなどで案内するなど、竹芝地区に滞在する人に有益な情報を届ける。
竹芝地区に設置するさまざまなカメラや IoT センサーにより収集したデータを取得できるAPIを公開し、企業などによる竹芝地区のデータ活用を推進。
例えば、竹芝地区にオフィスを構える企業は、地区内の混雑状況データを取得することで、最適な通勤時間を社員に提案するコンテンツをイントラネットなどで提供できるようになるほか、飲食店などは、施設内外の混雑情報を割引サービスなどの集客施策の検討に活用できるようになる。
そして、ソフトバンクは2020年度後半に本社を移転するオフィスビルに5Gネットワークを整備していくとしている。5Gの「超高速」「大容量」「低遅延」「多接続」「高信頼」などの特長を活かし、東急不動産とソフトバンクは、竹芝地区において、幅広い領域でさまざまな事業者と共創し、地区の発展や課題解決を実現するスマートシティのモデルケースの構築に取り組む方針だ。