凸版印刷は、これまで培ってきた印刷物のモアレを軽減させる技術を活用し、任意の画像をモアレで表現できるようにするシステムを世界で初めて開発し、本システムを活用したサンプルの提供を2019年7月9日より開始することを発表した。
本システムは、画像を2枚のパターンに分解するシステムで、これを活用することで画像の立体感や動き、色の濃淡をモアレで表現することが可能になるという。
通常の印刷物と異なり、奥行きを感じさせたり絵柄に動きを感じさせたりすることができるため、街中の警告表示や看板、POPなどの店舗装飾への活用が期待されるとのことだ。
本システムの特長
- 立体感や色の濃淡、動きを表現することが可能
- 視認性が高くアイキャッチ効果がある
- デザインから納品までを短時間で安価に可能
狙ったデザイン通りに色の濃淡や立体感が表現可能。奥行きの表現やモアレ特有の動きを活用した、全く新しいデザインの作製が可能になる。
本システムを活用することでモアレ特有の動きをデザイン通りに発生させることが可能。これにより、通常の印刷物と比べて目を引くため、警告表示や店頭装飾、看板などPOPとしての活用が期待される。
レンチキュラー(※1)などの特別な形状のレンズシートを必要とせず、2枚のシートに印刷し貼り合わせるだけで作製できるため、従来の特殊印刷と比べて時間や費用を低減でき、また、ディスプレイする際には電源等を必要としないため、電気代が不要。
同社は、本システムで作製したモアレデザインのフルカラー化や見やすさの向上、および画像をモアレパターンに分解する処理の高速化を目指して本システムのブラッシュアップを進め、2019年10月までに試験導入を目指すとしている。
※1 レンチキュラー:かまぼこ状の凸レンズシート。これを用いることで、見る角度によって絵柄が変わったり、立体感がえられたりする印刷物を製作できる。