ドイツのフォルクスワーゲンは2019年6月29日、カーシェアリング分野に参入すると発表した。同日、ベルリンで「WeShare」サービスを開始した。

このサービスに使用される1,500台の電気自動車「e-Golf(e-ゴルフ)」は、グリーン電力のみで運用される。2020年には、まず500台の「e-up!(e-アップ!)」が、そして年央には新規発売の「ID.3(アイディ.3)」が追加される予定。

「WeShare」は、貸出ステーションを設けない「フリーフロート型」と呼ばれる方式を採用し、アプリを介してデジタル運用される。「WeShare」サービスは、2020年にはフォルクスワーゲングループのブランド、シュコダともにプラハで、その後はハンブルグへ拡大していく予定である。

「WeShare」の概要

「WeShare」のサービスは、市内中心部からSバーンという市内を走る環状線の範囲を少し越えた、約150km2のエリアで開始される。その後、車両台数の拡大に合わせてエリアも広げる予定でサービス開始当初は、1分間当たり19セント、登録料無料となっている。

9月以降は3種類の料金体系を提供し、その平均料金は1分間29セント。このサービスを利用するには、スマートフォンとクレジットカードを所有し、年齢は21歳以上、運転免許証取得後少なくとも1年間経っており、ドイツで住民登録をしている必要がある。

「WeShare」は、ベルリン市内の一般用充電ネットワークで車両を充電できるとしており、これには、ドイツのスーパーマーケット、リドル(Lidl)とカウフランド(Kaufland)の70の店舗に新設される充電ステーションが含まれているという。

フォルクスワーゲンは、これらの店舗を展開するシュワルツ グループ(Schwarz Group)との間で、パートナーシップ契約を締結。

この契約の狙いは、フォルクスワーゲンによる電気自動車フリートの運用をサポートすることに加え、フォルクスワーゲンe-モビリティ攻勢の一環として、公共スペースにおける充電インフラ整備を促進させることにもあるとしている。

運用開始当初は、バッテリー残量が少なくなった車両は、「WeShare」サービスの従業員によって回収され、充電される。次の段階では、ユーザーが自身で車両を充電するとインセンティブを受け取れる仕組みを設ける方針だ。