ディスコでは、キャリタス就活2021登録学生(2021年3月卒業予定者)を対象に、インターンシップの参加意向や就職に関する意識などを調査・分析した。
主なトピックは9つ。
- インターンシップ参加意向が9割を超える
- できるだけ多くのインターンシップに参加したいが約6割
- 参加したいタイプは「短期型」
- 時期は、8月、9月に集中
- ニュースで知らないことがあったら「ネットで検索する」が72.0%、「家族に聞く」が29.5%、「友人・知人に聞く」が16.8%、「わからなくてもそのままにする」は10.2%
- インターンシップ参加企業を探す手段は「就職情報サイト」が最多
- 現時点で興味のある仕事・業界は、文系の1位は「サービス」で、理系は、学部生・院生ともに1位「メーカー」
- 興味を持ったきっかけは「大学入学前から志望していた」が最多
- 採用選考について、「大学の成績」については、「とても重視してほしい」(11.9%)と「ある程度重視してほしい」(36.7%)を合わせると約半数(計48.6%)となった。
- 就職戦線の⾒方については、厳しくなると見ている者が7割を超えた。
「参加したい/参加する予定」が9割を超える
まず、大学3年生(修士1年生)の5月下旬時点でのインターンシップ参加意向を尋ねたところ、「参加したい/参加する予定」が9割を超え(91.7%)、高い参加意欲が明らかになった。
インターンシップ参加意向のある学生(全体の 91.7%)に、参加方針について、3つの指標で尋ねた。まず、「できるだけ多くのインターンシップに参加したい」が合計で約6割に上り、「数を絞って参加したい」(計 39.8%)を大幅に上回った。「少しでも興味あれば参加したい」が約6割(計 58.9%)に対し、「参加する企業はじっくり選びたい」は計 41.1%で、積極的な姿勢がうかがえる。
ただし、「幅広い業界のものに参加したい」(計 45.6%)よりも「興味のある業界・企業のものに絞って参加したい」(計54.4%)が上回り、現時点で興味のある業界を中心に参加企業を探す学生が多い。特に理系では、学部生・院生ともに6割を超えており、絞り込みの傾向が顕著だった。
次に、どのようなインターンシップに参加したいかを尋ねた。もっとも多いのは「短期のもの(5日未満)」で8割超(83.5%)。「1週間程度のもの」(72.2%)、「業界や企業の概要を理解できるもの」(60.3%)が続く。
一方「長期のもの(2週間以上)」は約2割にとどまっており、現時点では、幅広くさまざまな業界や企業を知るために、比較的開催期間が短いものにたくさん参加したいと考える学生が多いことが読み取れる。
人気なのは「短期型」。情報収集は「就職情報サイト」が突出
インターンシップに参加したい時期を尋ねたところ、「8月」(92.9%)、「9月」(85.0%)に集中しており、現時点では、夏季休暇中のインターンシップ参加に焦点をあてている学生が多いようだ。ただし、「2月」が5割を超えるなど(53.1%)、早くも冬の参加を考えている学生も少なくない。
インターンシップ参加企業を探す手段について、今後の予定を含めて尋ねたところ、「就職情報サイト」が突出して多い(94.4%)。続く「インターンシップイベント」「学内(求人票・キャリアセンター)」「企業ホームページ」もそれぞれ半数以上の学生が選んでおり、さまざまな手段を活用して、参加企業を探したいと考えていることがわかる。
大学3年生(修士 1 年生)の5月下旬時点で、興味のある仕事や、やりたい仕事があるかどうかを尋ねた。「なんとなくイメージはある」が半数超(56.7%)ともっとも多く、「具体的にある」は24.3%にとどまった。
現段階では志望業界ややりたい仕事が明確になっていない学生が大半であり、これから志望を固めていくためにも、インターンシップに積極的に参加したいと考えていると同社では分析している。
属性別に見ると、文系より理系で、仕事のイメージを持っている学生が多い。特に理系・院生では「具体的にある」「なんとなくイメージはある」を合わせて9割に上るのに対し(90.1%)、文系では78.0%。
現時点で興味を持っている業界を、10分類の中から3つまで選んでもらった。文系の1位は「サービス」で、4割強(44.2%)が選んだ。2位「メーカー」(36.9%)、3位「商社」(32.1%)が3割台で続き、比較的ポイントが分散している。理系は、学部生・院生ともに1位「メーカー」2位「IT・情報処理」だが、院生は8割以上が「メーカー」を選んでおり、突出しているのが目立つ(85.9%)。
すでに「大学入学前から志望していた」学生が約4割も
興味を持つ仕事や業界があると回答した学生に、そのきっかけを尋ねた。もっとも多いのは「大学入学前から志望していた」で4割近くに上る(39.1%)。「商品やサービスのユーザーとして興味を持った」が約3割で続く(29.7%)。これからインターンシップへの参加や、業界研究を進めていく中で、志望業界や就きたい仕事が変わっていく学生も多いと推測される。
属性別に見ると、理系・学部生で「大学入学前から志望していた」が半数を超え、就職を見据えた進路選びをしている学生が多いことがうかがえる。理系・院生では、「ゼミや研究室で専門的に学んだことで」が6割を超えており(65.4%)、より具体的な研究内容や専門性を生かした就職を考える学生が多いことがわかる。
採用選考において、「大学での成績」と「専門知識/専攻分野」をどの程度重視してほしいか、考えを尋ねた。
まず「大学の成績」については、「とても重視してほしい」(11.9%)と「ある程度重視してほしい」(36.7%)を合わせると約半数(計 48.6%)。一方、「重視してほしくない」は合わせて23.4%で、4人
に1人未満にとどまった。
「専門知識/専攻分野」については、「とても重視してほしい」「ある程度重視してほしい」を合わせて5割強(計53.4%)。理系・院生では「重視して欲しい」の合計が7割を超える(計74.2%)。ここでも、理系・院生が、専門性を活かした就職を意識していることがうかがえる。
自分たちの就職戦線が1学年上の先輩たち(2020 年卒者)に比べてどのようになると見ているのか、その見通しを尋ねた。
「非常に厳しくなる」16.2%、「やや厳しくなる」55.1%で、厳しくなると見ている者の合計は7割を超える(計 71.3%)。経団連の指針が廃止されることによる混乱のほか、オリンピックの影響、米中貿易摩擦をはじめとした世界経済の悪化など懸念する声が多く見られた。こうした危機感の高さが、早期からの就職活動準備につながっていると考えられる。
※調査概要
・調査対象:キャリタス就活2021会員
(2021年3月卒業予定の全国の大学3年生・大学院修士課程1年生)
・調査時期:2019年5月22日~5月27日
・調査方法:インターネット調査法
・回答者数:1077人(文系 682人、理系・学部生 263人、理系・大学院生 132人)
・調査機関:ディスコ キャリタスリサーチ
<出典元>
「2021 年卒学⽣の職業意識とインターンシップに関する調査」
ディスコ