NECはケニアで実施していた新生児への指紋認証において、エラー率0.3%(※1)での認証に成功した。
(※1)誤受入率=0.1%の条件で誤棄却率=0.3%を達成
出生後、早期に生体情報の採取と認証を行えるようになることで、出生証明や登録、退院時の本人確認、ワクチン接種の記録が可能となる。
これにより、法的身分証明の提供をふまえた新生児の健康・安全に大幅な改善が期待できる。
新生児における指紋認証技術の概要
1.撮像精度の向上
出生直後の新生児の指紋を採取するには、20μm未満の谷線幅を撮像する必要があった。
今回、高分解能を持つ10μmの撮像素子を搭載した高解像度イメージセンサーを採用したほか、紋様を強調する特殊ガラスを組み合わせることで、高精細な画像撮像を可能にした。
2.新生児向けの撮像機能とデザインの強化
撮像時に新生児の指の動きで生じるブレを解消するため、フレームレートをこれまでの2fpsから7fpsへと高速化し、ブレ防止機能をセンサー部に持たせた。
また、新生児の柔らかい指を必要以上に撮像面へ押し付けないよう、形状と撮影対象の指の撮像方向を統一するためのガイドを作成したことに加え、新生児用の特殊デザインを採用した。
NECは今後、新興国での新生児の生体認証基盤や、国民IDシステムでの活用に向けて、指紋認証技術の実用化を目指すとしている。