山田コンサルティンググループは、税理士法人山田&パートナーズ、一般社団法人山田経済・経営研究所と共同で、「人手不足」、「働き方改革」などをテーマにクライアント企業へのアンケート調査(※)を実施。
「我が国を支える中堅・中小企業の経営実態調査~人手不足とコンプライアンス~」として結果をまとめた。
調査により、働き方改革を実践し、その効果を実感できている企業は、社長主導による推進体制をとっていることや、採用・育成といった人事領域だけにとどまらず、事業・業務・システムまで含めた包括的な取り組みを行っていることが判明した。
報告書の第一部にあたる「働き方改革に関する実態調査」の概要は以下のとおりだ。
人手不足への取り組みについては、約60%の企業が「既存社員と同属性の採用力強化」と「既存社員の生産性向上」と回答した。
一方で、「AIやRPA・IoTへの積極投資」、「事業の縮小と見直し」は約10%の取り組みにとどまる。
AIなどへの投資を積極的に行わない理由としては、「効果は期待できるが投資と見合うかわからない」(39.0%)、「何から着手したらよいかわからない」(20.3%)という回答が多く挙がった。
働き方改革の「効果が出ている」と回答した企業では、社長主導によるものが多かった。
一方で「効果が見えない」企業では、管理部門や現場に任せている場合が多いことがわかった。
まだ働き方改革に着手していない企業が、今後取り組むことに掲げた上位には、「ミドルマネジメントの育成・研修」、「経営幹部の育成・研修」、「業務の棚卸」、「評価制度の見直し」、「報酬制度の見直し」がある。
中堅・中小企業のコンサルティング現場では、人手不足や働き方改革への受け止め方や取り組みの姿勢、あるいは内容についてばらつきが大きい結果となった。
原因としては、「情報がシステムや人事など限定的・断片的なものが多い」、「成功事例として取り上げられる企業は大企業が多く、そのまま取り入れるのが難しい」など、収集できる情報に制約があることが大きな課題のひとつだと考えられる。
(※)調査概要
・実施機関:山田コンサルティンググループ、税理士法人山田&パートナーズ、弁護士法人Y&P法律事務所、一般社団法人山田経済・経営研究所
・調査対象:山田グループのクライアント企業1,690社(うち625社の経営層が回答)
・回答率:36.9%
・調査期間:2018年11月16日~2019年1月31日
・報告書の構成:「Ⅰ 働き方改革に関する実態調査」、「Ⅱ 会計に関する実態調査」「Ⅲ 法務に関する実態調査」