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2019年6月13日、電通が「世界の広告費成長率予測」(2019年6月改定)を発表した。
同社の海外本社である「電通イージス・ネットワーク」が、世界59カ国・地域から収集したデータに基づいて取りまとめたものだ。
予測のポイントは3つ。
- 2019年の世界の広告費成長率は3.6%、広告費は6,099億ドルと予測
- 2020年の成長率は4.1%と予測、2010年から11年連続の成長見通し
- 媒体別では、デジタルが引き続き二桁成長で広告市場全体の成長を牽引
世界の広告市場を牽引するデジタル広告
世界のデジタル広告費の成長率は、2018年に14.9%(実績)、2019年に11.5%(前回予測は12.0%)、2020年に11.0%(前回予測は10.8%)。二桁成長が続く見通しだ。
主な要因はオンライン動画広告と、ソーシャルメディア広告の成長だ。デバイスとしては、モバイルの成長率が21.4%と大きい。デジタル広告市場の成長に貢献している。
2020年には、総広告費に占めるモバイル経由の割合が3分の1に迫る勢いだという。
世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は、2018年実績が39.0%。初めてテレビ広告費の34.9%を上回った。その割合は2019年には4割を超えて41.8%となり、2020年には44.5%へと伸長する見通しだ。
なお、対象59カ国・地域のうち、2019年には26カ国・地域(2018年は21カ国・地域)で、デジタルが媒体別広告費の構成比でトップになると見込まれている。
2019年予測の概要
世界の広告費成長率は3.6%(前回予測は3.8%)、広告費は6,099億ドルに達すると予測している。
不透明な経済状況が及ぼす消費活動への影響と、中国・ロシアなどにおける成長減速はあるものの、インド・ブラジル・英国・カナダなどでは高成長率で好調がつづく。
前回予測から下方修正されたものの、全般的には引き続き安定した成長が見込まれるという。
媒体別では、世界各地で引き続きデジタルが広告市場成長を牽引する。
新聞が成長率で△7.7%、雑誌が△7.4%、テレビが△0.1%と厳しい状況が続く。一方で、屋外/交通広告は4.3%、ラジオは1.7%の成長が見込まれている。
このような傾向は2020年も続く見通しだが、テレビは0.6%に回復すると予測されている。
日本市場の状況
2018年の広告費成長率(実績)は、前回予測の0.2%から2.2%へと大幅に上昇した。
主な要因として、想定を上回るペースで伸長したデジタルの運用型広告、マス4媒体社が提供するデジタル広告を追加したこと、が挙げられている。
2019年は、1.2%で堅調に成長すると予測。2018年実績を基準に、前回予測の0.6%から上方修正した。
デジタル広告が運用型広告を中心に引き続き二桁成長(14.5%)する見通し。とりわけモバイル(21.2%)、オンライン動画(29.2%)、マス4媒体社が提供するデジタル広告、が成長を牽引する見込みだという。
2020年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等があるため、成長率は2019年を上回る1.8%と予測している。
※調査概要
株式会社電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」(本拠地:英国ロンドン市)が、世界59カ国・地域から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」を取りまとめたもの。毎年2回、改定と新規予測を行っており、今回は2018年実績の確定と、2019年・2020年予測の改定を行っている。
<出典元>
「世界の広告費成長率予測」(2019年6月改定)