アクセンチュアは、日本を含む世界の大企業に所属する約1,000人のCMOおよび500人以上の最高経営責任者(CEO)を対象に調査を実施、2019年6月5日のその結果を発表した。

調査によると、先進的な考えを持つ最高マーケティング責任者(CMO)を擁する企業は、一人ひとりの趣味や嗜好に合った顧客体験を最適なタイミングで提供することで、競合他社より11%高い株主利益を創出していることが明らかになった。

先進的な考えを持つCMOは顧客第一の企業文化を浸透

調査対象となったCEOの31%が、「CMOに対して、顧客データやそこから得られる洞察を活用して新しい製品やサービス、体験を生み出し、企業の成長を促すことを期待している」と答えている。今回の調査により、先進的な考えを持つ17%のCMOは、顧客第一の企業文化を浸透させるために、他の経営幹部と積極的に連携していることが明らかになった。

また、こうしたCMOは、競合他社に比べて破壊的成長を促す取り組みにより多くの時間を割く傾向にあり、自らを「イノベーター」と称し、新興技術を利用して、顧客行動の予測と潜在的な収益源の開拓に注力している。

また、消費者が自らの価値観や信条に合った、明確な目標を持つブランドの商品やサービスを購入する傾向が高まる中、先進的なCMOは、顧客の生活と深く関連を持つことを重要視している。今回の調査で、76%のCMOが「ブランドの目標に対する消費者の期待が高まっている」と答えている。

同様に、70%のCEOが「大きな目標を表明している企業の方が、より大きな成功を手にする」と答えている。

さらに、マーケターの役割が大きく変化する中、CEOとCMOの大多数(90%)が、「今後3年間でマーケティングの機能は根本的に変わるだろう」としている。

なかでも、先進的なCMOは、他のCMOに比べて、没入型体験のデザイナー、ストーリーテラー、グロースハッカー(企業成長の仕掛け人)、フューチャロロジスト(未来学者)といった役割やスキルがさらなる成長に必要だと考える割合が高い結果となった。

※本調査は2018年5月時点のもの。
調査は、2018年3月から5月にかけて実施された。世界12カ国(日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン、英国、米国)の17の業界のCMOとCEOを対象にアンケート調査を実施。年商5億ドル以上の企業が対象で、回答者の内訳は、CMOが 935人で、CEOが564人。

<参照元>
アクセンチュア最新調査――先進的なCMOは、顧客体験を起点に組織間コラボレーションを促すことで、ビジネス価値向上に寄与していることが判明