ハーチ株式会社は同社運営のWEBマガジン「IDEAS FOR GOOD」の読者104名(10代~30代のミレニアル世代)に対し、「企業のコーポレートサイト」に関するアンケート調査(※)を実施し、その結果を公開した。主な調査結果は以下のとおりだ。
- 商品購入時に企業が社会課題解決に貢献しているか気にするミレニアル世代は34.9%にとどまる
- 就活の際に、企業の「社会課題解決への積極性」を意識するミレニアル世代は68%にのぼる
- ミレニアル世代がコーポレートサイトをみるのは、「仕事で情報を得たいとき(56.9%)」など用事があるとき
- ミレニアル世代に支持されるコーポレートサイトのキーワードは「パーパス」「オーセンティシティ」「デザイン」
- ミレニアル世代が指示するコーポレートサイト5選は「サイボウズ」「UNIQLO」「Apple」「Patagonia」「IKEUCHI ORGANIC」
商品購入時に企業が社会課題解決に貢献しているか気にするミレニアル世代は34.9%にとどまる
世界のソーシャルグッドなアイデアを扱うWEBマガジンの読者ということもあり、社会課題への関心についての問いでは、「大変ある」「ある」の合計が76.7%で関心が高いことがうかがえる。
一方、企業の商品やサービスの購入時に、その企業が社会課題解決に貢献しているか意識するか聞いたところ、「大変意識する」「意識する」の合計は34.9%にとどまった。この結果から同社では、社会課題への関心の高さと比べると、実際の購買時にはそれを意識しておらず、「社会課題への意識と商品購買はまだ結びつきが浅いことがわかった」と伝えている。
次に、社会課題解決をしている企業の商品・サービスを友人にすすめたことがあるか聞いたところ、「全くすすめたことがない(13.6%)」が、この前の質問の「企業の商品やサービスを購入する際に、その企業が社会課題解決に貢献しているかどうかを全く意識しない(5.8%)」の倍以上で、自分では社会課題に貢献している企業の商品やサービスを購入していても、友人にすすめるまではしていないミレニアル世代が多いことがわかった。
就活の際に、企業の「社会課題解決への積極性」を意識するミレニアル世代は68%にのぼる
就職するにあたり、その企業が社会課題解決に積極的かどうかを意識するか聞いたところ、
ミレニアル世代の68%が「大変意識する」「意識する」と回答。この結果から同社では、自分と企業の関りが深いほど「社会課題解決への積極性」を意識するようになるという仮説が成り立つと話している。
ミレニアル世代がコーポレートサイトをみるのは、「仕事で情報を得たいとき(56.9%)」など用事があるとき
どんなときにコーポレートサイトを見るか聞いたところ、「仕事で情報を得たいとき(56.9%)」「就職・転職活動のとき(54.9%)」「店舗を探したいとき(48%)「新商品の情報があったとき(34.3%)」のように用事があるときのみ「検索(75%)」で見るとのこと。この結果から同社では、ミレニアル世代はコーポレートサイトをあまり見ないことがわかったとしている。
実際、IDEAS FOR GOOD読者座談会でも、「コーポレートサイトを日常で見ることはほとんどない」という声が多かったとのことだ。
ミレニアル世代に支持されるコーポレートサイトのキーワードは「パーパス」「オーセンティシティ」「デザイン」
それでは、どのようにすればミレニアル世代がコーポレートサイトへ足を運ぶようになるのだろうか。IDEAS FOR GOOD編集部では、ミレニアル世代がコーポレートサイトをみるときに重要視するポイント15項目を6段階評価(「1.大変重要」「2.重要」「3.少し重要」「4.あまり重要でない」「5.重要でない」「6.全く重要でない」)してもらった設問の集計結果から、ミレニアル世代を引き付けるための必要な要素として、以下3つのキーワードを抽出した。
- パーパス
- オーセンティシティ(真正性、ありのままの意味)
- デザイン
- パーパス
- オーセンティシティ(真正性、ありのままの意味)
- デザイン
「大変重要」と回答された割合が高かった項目として、「5.社会的な取り組みに対する企業の“想い”がストーリーとして伝わるか(46.5%)」「1.企業の価値が落とし込まれている(34.7%)」があげられる。この結果から同社では、「何のためにこの会社があり、何のために事業をするのか」を意味するパーパスが重要視されていると話している。
そのうえで、豊かな時代に生まれお金だけがモチベーションにならないミレニアル世代が、承認欲求・自己実現欲求を満たすための何かを生活や仕事に求めていると指摘。そのため、企業がパーパスを示すことで、個人のパーパスと企業の方向性をマッチングすることができ、個人から共感を生むことができるようになる、としている。
同社によれば、今ではブランディングの本質が「よく見せる」から「ありのままを見せる」に変わってきている、とのこと。実際アンケートでも「14.背伸びをしていない(大変重要:32.7%)」が支持されており、このことから同社では、「いいことも悪いことも公にした方が消費者から信頼される」としている。そのうえで、投資の世界において「インテグリティ」、CSRの世界では「トランスペアレンシー」と言われることもある、と指摘している。
最後に「ありのまま」を自信をもって見せるためには、そもそも企業のパーパスが明確であることが必要であり、その意味でもパーパスを持つことが企業にとって大切と話している。
「6.デザイン性を大事にするか(大変重要:46.5%)」という点も支持されており、同社ではデザインも大切としている。モノがあふれる時代にあって、ミレニアル世代についても「機能的価値」より「情緒的価値」を重視しており、ブランドエンゲージメントを高めるうえで「かっこいい」「うつくしい」というポジティブな感情を消費者から引き起こすことが重要としている。
ミレニアル世代が指示するコーポレートサイト5選とは
自分でよくみるコーポレートサイトをあげてもらったところ、以下コーポレートサイトがミレニアル世代に支持されていることがわかったとのこと。
サイボウズ株式会社
UNIQLO(ユニクロ)
Apple(アップル・日本)
Patagonia(パタゴニア)
IKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)
※調査概要
調査目的:ミレニアル世代の心に響くコーポレートサイトのあり方を把握すること。
調査対象:ミレニアル世代10〜30代のIDEAS FOR GOOD読者 104名
調査期間:2019年2月4日〜2019年4月17日
回収方法:IDEAS FOR GOOD読者アンケート+IDEAS FOR GOOD読者座談会
<参照元>
『【6/21 イベント開催!】読者100人に聞いた「#シェアしたくなる企業サイト」。ミレニアル世代の心を掴むための3つのキーワードとは?』
IDEAS FOR GOOD