学生の関心が低くなる地元就職。希望率は5割を切る

マイナビは2019年5月28日、2020年卒業予定の大学生を対象とした「2020年卒 マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査」の結果を発表した。同調査は2012年卒より開始し、今回が9年目となる。

それによると、地元就職希望率(全国平均)は前年比1.0ポイント減の49.8%で、調査以来初めて5割を下回る結果となった。

学生の関心が低くなっている地元就職

まず、卒業した高校の所在地ともっとも働きたい都道府県の一致率(以後、地元就職希望率)は全国平均で49.8%(前年比1.0ポイント減)と、前年をやや下回った。

調査をスタートした2012年卒から比較すると、13.5ポイントの減少となり(2012年卒63.3%→2020年卒49.8%)、初めて5割を下回った。

卒業高校エリア別では、地元就職希望率の減少が大きかった上位3エリアは、「東北」の25.7ポイント減少(2012年卒76.7%→2020年卒51.0%)をはじめ、「四国」の19.7ポイント減少(2012年卒63.6%→2020年卒43.9%)、「中国」の18.9ポイント減少(2012年卒72.0%→2020年卒53.1%)となった。

また、地元大学に進学した学生(地元進学者)の地元就職希望率69.4%(前年比2.3ポイント減)に対し、地元外の大学に進学した学生(地元外進学者)は33.4%(前年比0.4ポイント減)で、いずれも、この9年で減少しているという。

マイナビでは、地方における人材確保は緊急の課題だが、学生の関心が低くなっていることがうかがえるとしている。

地元企業への障害は『地元までの交通費が高いこと』

地元外進学者に聞いた、地元企業への就職活動でもっとも障害に感じることは、『地元までの交通費(26.0%)』がもっとも高かった。

次いで、『地元までの距離・時間(14.4%)』、『やりたい仕事がない(13.3%)』が選ばれ、就職活動の「費用・距離・時間」がネックになっている。

マイナビでは、今後は、WEBセミナーやWEB面接など、距離の制限なく就職活動をできる環境整備が重要なポイントとなりそうだとみている。

地元就職を「希望しない」と回答した人に、将来的な考えを聞くと、「(将来的にも)地元就職を考えていない」という回答が40.7%となった。

しかし48.1%が「分からない」と回答しており、5割近くが今後はまだ未定であることから、将来的な地元就職の余地がうかがえる結果となった。

学生に地元就職を増やすためのアイデアを自由記述で募ったところ、さまざまな意見が集まり、「地元を離れて進学している人のための選考や説明会を開催する」「WEB説明会やWEB面接などを増やして距離の制限なく就職活動できるようにする」「交通費の補助」など、「費用・距離・時間」を克服するプランが多数を占めたとのことだ。

そのほか、「地方のインターンシップを増やすこと」「高校でのキャリア教育で、地元企業の人と交流する機会を設けるとよい」など、早いうちから地元企業の魅力や仕事を学生に伝えるべきという意見もあり、就職活動以前から地域と学生が接点を持つことの必要性を学生は感じているようだと同社は述べている。


<調査概要>
○調査方法/2019年3月20日(水)時点のマイナビ2020会員にWEBDMで配信
○調査期間/2019年3月20日(水)~4月7日(日)
○調査対象/有効回答数 7,734名 
(内訳:文系男子 1,367名 理系男子 1,309名 文系女子 3,550名 理系女子)1,508名

<参照元>
「2020年卒 マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査」を発表
マイナビ

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