香港のCounterpoint Technology Market Research(カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ)は2019年5月23日、中国のスマートフォン市場についての最新調査結果を発表した。
それによると、中国のスマートフォン市場は、2019年第1四半期も、販売台数の下落が続き、対同年比および対前期比がともに下落し、対前年比7%、対前期比12%の減少となった。しかし、2018年と比較して、減少幅は小さくなったという。
トップ5だけが伸び他のメーカーは縮小する傾向に
調査によると、Huawei(HONORブランドも含む)、OPPO、Vivo、Xiaomi、Appleのトップ5社を合わせた販売台数は全体の87%を記録した。トップ数社だけが伸び、他のメーカーは縮小する傾向が続いている。以下で各社ごとの動向をみてみる。
Huawei(HONORブランドも含む)は、中国スマートフォン市場のリーダー的存在だ。シェアは29%に伸び、出荷台数も約3,000万台に達した。同社では、Huaweiの業績について、HuaweiとHONORは引き続き中国で好調である。HONORの売上はほとんどがネット販売であるが、実店舗網も拡充してきた。Huaweiは、中国の春節に全販売チャネルを通じて販促を行い、これが成功に終わったと分析している。
一方、OPPOとVivoは、Huaweiと比べて異なる作戦をとっており、1,500人民元(約220米ドル)の価格帯にあるスマートフォンに軸足を置いている。それには、OPPOのA5およびA7X、VivoのY93が該当し、いずれも四半期ごとに平均200万台以上を販売する人気機種だ。現在、中国市場ではVivoが20%のシェアで第2位、OPPOは19%のシェアで第3位に位置している。
Xiaomiのシェアは、昨年の13%から11%に低下したが、今期の成績で前期比で成長できた企業はトップ5社ではXiaomiのみとなった。カウンターポイント社のアナリストMengmeng Zhang氏は、この一連の動きについて、Xiaomiは2018年第4四半期に組織再編を行っていた為、新機種を投入できず、2019年2月のMi9と、3月のRedmi Note 7まで新機種が出なかったからであると指摘している。
AppleのiPhoneにとって第1四半期は、シェアが昨年からほぼ半減という、散々な結果となった。1月以降、新型iPhoneの価格は10%ほど下がっているものの、依然として消費者が二の足を踏むレベルの高価格であり、特に新機種iPhone XSではこれが顕著となり、販売台数は100万台を割り込んだ。
また、Samsungの販売台数は、前年同期比では大きな変化はないものの、前期比では40%も増えた。
※本調査は2019年第1四半期時点のもの。
中国市場向けスマートフォン各社のIR情報から推定した出荷数、各社へのヒアリング内容を販売側から裏付けしたデータ、流通段階でのチェック、その他副次的調査の結果に基づいている。