富士フイルムが、2019年5月9日から、写真クラウドサービス「FUJIFILM PhotoBank(フォトバンク)」をスタートした。
アナログ、デジタルを問わず、ユーザーが保有するあらゆる写真を一元的に管理・整理。それらの写真からAIがユーザーの嗜好性を推測し、ユーザーの嗜好に合わせたさまざまな製品・サービスを提案する写真クラウドサービスとなっている。
まずは、写真データの管理・共有・プリント注文などができるサービスから提供開始。2020年初頭には、ユーザーがフォトバンクに参加する企業の製品・サービスを購入できる「マーケットプレイス」をオープンするという。
AIが被写体や撮影シーンを解析する「フォトバンク」
フォトバンクに預けられるのは、スマホやデジカメで撮影した画像だけではない。フィルムや写真プリントなどのアナログ写真も、デジタルデータに変換して預けることが可能だ。ユーザーは、自宅にあるアナログ写真も、スマホでいつでもどこでも見ることができる。また家族や友人との共有も簡単だ。
さらにAIを活用した、タグ付けの機能もある。同社独自のAIが、被写体や撮影シーンを解析。1枚1枚の写真に何が写っているか、どのようなシーンで撮影されたかなどを、キーワードを使って自動的にタグ付け。ユーザーはタグを利用することで、写真の整理が簡単になる。
同社では、長年にわたって写真プリントサービスを提供してきた。シーンを解析する技術は、人々が残したいと考える大切な写真はどのような写真なのかを分析してきた経験やノウハウに基づき、開発したという。
「誕生日」「入学式」「成人式」など、人生の節目となるシーンから、「花見」「キャンプ」「お祭り」「正月の集まり」まで、ユーザーはシーンごとに簡単に思い出を振り返ることができる。
ほかにも、ピントがずれた写真を自動で非表示にする機能・類似写真をまとめて1枚に表示する機能もある。画面に表示される大量の写真を見やすく整理し、快適な閲覧を実現している。
今後は、フォトバンク内で、ユーザーがお気に入りの写真を「作品」として投稿できるオンライン写真展の開催や、フォトブックやプリント注文を同社ネットプリントサービス「Prints & Gifts」から行えるようにするといったサービスの拡充を行う。
写真からAIがユーザーの嗜好を推測し提案する「マーケットプレイス」
2020年初頭に、フォトバンク内でオープン予定となっているのが「マーケットプレイス」。さまざまな企業が各社の製品・サービスを提供し、ユーザーはそれらを購入できる。
撮影シーンを解析する技術、撮影傾向を分析する技術、良い写真を選別する技術を組み合わせて開発した同社独自のAIが、ユーザーの大量の写真からその嗜好性や潜在ニーズを推測。ユーザーに合った製品・サービスを提案する。
ユーザーの購買、閲覧履歴から製品・サービスを提案する一般的なインターネット通販サイトとは異なるポイントだ。
例えば、子や孫の写真をたくさん保管しているユーザーには、3世代で楽しめる旅行を提案。ほかにも、小さい子どもが喜びそうな絵本を紹介することなども考えられる。ユーザーの興味関心に沿った製品・サービスを提案し、ユーザーは気に入ったものを購入することができる。
同社では、フォトバンクを通じて、写真を活用した新しいライフスタイルを提案していく考えだ。