電通サイエンスジャム(DSJ)は2019年5月7日、脳波を測定することで感情の変化を2次元上に表示させる感性把握システム「Valence-Arousal Analyzer(VA Analyzer)」を開発したと発表した。
2次元上に喜怒哀楽に関わるさまざまな感情をプロット
Valence-Arousal Analyzerは、心理学者James A Russell氏が1980年に「A circumplex model of affect.」として提唱した、感情の次元モデルの「Valence」と「Arousal」2軸の値を脳波から推定し、感情の変化を2次元で表すことができる。
Russell氏のモデルはポジティブ-ネガティブを示す「Valence」と、活性 – 不活性を示す「Arousal」という2軸から構成されており、その2次元上に喜怒哀楽に関わるさまざまな感情がプロットされている。
脳波には瞬きや体動といった“ノイズ”が混入するが、Valence-Arousal Analyzerは独自のフィルタリング技術で、これらのノイズをリアルタイムで除去しているという。
また、Valence-Arousal Analyzerの感情推定技術は、蓄積された大規模な脳波データと、機械学習によって実現されている。
Valence-Arousal Analyzerは単極型脳波計を用いることで、被験者への負担を最小限に抑え、タブレット上にソフトウェアを独立実装することにより、いつでもどこでも簡単に脳波を用いた感情評価が可能だという。
img:電通サイエンスジャム